研究課題/領域番号 |
21K00726
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
大津 理香 茨城大学, 全学教育機構, 助教 (10708019)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 英語絵本読み聞かせ活動 / 図書館での読み聞かせ |
研究実績の概要 |
〇2022年度の英語絵本読み聞かせ活動と調査の実施: 【活動】2022年度は、ボランティア学生10名と1回90分の練習ミーティングを計23回実施した。学生がミーティングに参加できない場合は、個別にオンラインで指導した。また、小学校での英語絵本読み聞かせに熟知しているカナダ人講師を招いて指導して頂いた。実際の小学校(2校)での読み聞かせボランティア活動は、6月から翌年3月まで(学期中)朝時間15分を頂き、1校では対面で計7回、もう1校ではオンラインで計8回実施した。他には、茨城県の図書館で実施されている絵本の読み聞かせ講座の一つに参加し、指導者としての知見を得た。そこで学んだ事柄を活かし、学生の読み聞かせの改善に役立てた。 【調査】ボランティア学生の英語学習やボランティアに対する意識、そしてボランティア先の小学校の児童や児童の担当教師の英語や英語絵本の読み聞かせ等に対する意識を調べるため、活動前後にアンケートを実施した。他には、活動前後の学生の英語力の変化をみるため、2021年度末に受験してもらったCASECテストとCASEC Speakingテストを、2022年度末にも参加学生に受験してもらった。 〇2022年度の活動の成果: 上記の事前アンケートの結果をまとめ、2022年全国語学教育学会(JALT)第48回年次国際大会にて発表した (題名:The Influence of Reading English Picture Books by University Students)。また、2021年度から調査してきた図書館での英語絵本の読み聞かせの実施状況等をまとめ、所属機関誌「茨城大学全学教育機構論集 大学教育研究,(6),133-140」に発表した(題名:「茨城県の公立図書館における英語絵本の読み聞かせ活動-科研費基盤研究(C)中間報告-」)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・当初の計画通り、大学生との練習を進められ、2つの小学校での読み聞かせ活動をスタートした。そして、大学生、小学生、小学校の担任の先生へのアンケートや、大学生への英語力を測るテストも実施した。そのうち事前のアンケート結果については、JALT学会で発表する機会に恵まれ、出席者から質問やコメントを通して新たな知見を得られた。 ・2021年度から調査していた茨城県内の図書館の英語絵本の読み聞かせについて、文書として整理し出版した。まとめた情報は、今後の学生との活動範囲を広げるのに役に立つと考えられる。 ・2022年度3月末の時点で、卒業生も含め5名が2023年度の活動を続けないこととなったが、2022年度中にこの活動の説明会を開催したところ、希望人数とした10名には届かなかったが、新たに4名が参加してくれることになったため、2023年度は合計9名で活動を続けられることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
①英語絵本読み聞かせ活動:5月2週目より毎週1回90分程度集まって、参加学生とともに英語絵本の読み聞かせ練習を行い、5月末より月1回、近隣の小学校で4年生の児童を対象に読み聞かせ活動を実施する。10月からは学生の意欲喚起や読み聞かせ体験を増やすために、近隣の図書館でも子どもたちに読み聞かせられるよう計画する。 ②アンケート調査と英語力テスト:読み聞かせ活動の前後に、小学校の児童、そして児童の担当教師にアンケートを行う。大学生に対しては事前アンケートは既に実施したので、事後のアンケートを行う。事前と事後のアンケート結果を比較して、この活動が各々にどのように受け止められるのかを調査する。また、学生には2022年度末に行った英語力を測るテストを再度行って、2回の結果を比較し、何が結果に影響を与えたのかを調査する。 ③学会発表:2023年度第49回JALT学会で本研究の進捗状況を発表し、他の研究者からのフィードバックを頂き、本活動のさらなる充実を図る。また、TESOL2024の学会で本研究の3年間の成果を発表できるよう、準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では、JALT学会発表に関連した予算を計上していたが、その旅費等は所属機関である茨城大学全学教育機構の機構長裁量経費と個人研究費から支出できたため、次年度使用額が生じた。今年度は、その分をボランティアに参加している学生の読み聞かせの質をより高めるための費用に充てる。具体的には、小学生への読み聞かせに熟知した外国人講師を外部より招致し、学生への指導をして頂く予定である。
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