研究課題/領域番号 |
21K00748
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
牧野 眞貴 近畿大学, 法学部, 准教授 (90581174)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | メタ認知 / リメディアル / 学習振り返り |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,リメディアル学生のメタ認知を活性化する英語指導法の開発および,指導実践に向けた教師のための指導マニュアルを作成することである。メタ認知の研究は数多くあるものの,英語リメディアル教育におけるメタ認知の研究は豊富とは言えない。むしろあまり例を見ないことより,英語リメディアル教育の研究に携わる研究者や教師がメタ認知に大きく注目していない,あるいはメタ認知の知識を十分に持ち合わせていないという可能性がある。従って,学生に対してだけではなく,教師に対してもメタ認知の知識や指導法を提示するという点で,本研究結果は,英語リメディアル教育に貢献するものであり,また,メタ認知が効率的に働くようになれば,英語力にとどまらず,リメディアル学生の学習力が伸びるという点においても,重要性の高い研究であると考えられる。 2021年度はまず,リメディアル学生のメタ認知の特性を把握するため,幅広い英語力の学生のメタ認知を測定した。その結果,英語習熟度の違いによりメタ認知スコアに有意差が見られ,リメディアル学生のメタ認知が上手く働いていないことが確認された。さらに,なぜリメディアル学生のメタ認知が上手く働かないのか,その原因を調査するため,メタ認知スコアの低い学生を対象としてインタビュー調査を実施した。その結果,複数の学生が授業に集中せず,自分が今まさに何を学んでいるかを意識せず授業を受けていると回答した。つまり,自己の学びの点検を行っていないということであり,メタ認知が活性化されていない。中には授業の理解をあきらめているや,理解したいと思わないなど,学習に対する意欲の低さも感じられた。本調査の結果に加え,文献研究や申請者の指導経験より,振り返りを重視した英語指導法を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の方法は文献研究に加えて,国内外の研究者から知見を得ることも含まれている。しかしながら,コロナウィルス感染拡大の影響で,2021年度は対面形式での学会実施が難しかった。オンラインで実施された学会では,研究者の発表を聞くことはできても,こちらから複数の質問をすることや,時間をかけて話し合うことが難しく,また参加者同士の交流の機会もなかった。さらに,渡航制限で海外の学会に参加することができず,研究が順調に進んでいるとは言い難い状況である。さらに,2021年度は勤務校でオンライン授業の回数が対面授業の回数を上回ったため,当初の授業計画を修正せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は前期授業で振り返りを重視した授業を実施するとともに,それに対する学生へのインタビューを実施し,指導法を見直す。修正した指導法を後期授業でさらに実施し,最終的に指導法を確立させる。2021年度に実現しなかった対面形式での学会に参加し,研究者から知見を得る。世界各国の入国制限の緩和が期待されるため,国内だけではなく,積極的に国際学会に参加するとともに自身の研究の結果についても発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの感染拡大で対面形式での学会が行われなかったために旅費を全く使用しなかった。
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