研究実績の概要 |
本研究の目的は、高専低学年で実施する英語授業において、学生にとって既知でありかつ興味関心の高い理科・数学の内容、すなわち小・中学校や高校で習う数学や理科に関することがらを題材として扱うことで、高専生の英語学習に対する意欲を高めると同時に、理工学を専攻する学生に必要な英語力の基礎を養う初級理工系学生のための英語授業モデルを作ることである。 本研究代表者および研究分担者は、自ら開発した理工系学生向け英語教科書を使用し、本研究の趣旨に沿った授業実践を行いつつ、その効果を最大化するための副教材あるいは授業形態の研究を行った。 また、これと併行し、全国の高専における英語教育の実態調査の一環として、各高専で使用されている英語教科書の種類の分析も行った。その結果、ほとんどすべてといってよいほど多くの高専で、低学年ではいまだ文科省検定済教科書すなわち一般の高校生と同じ教科書が使用されており、高専の特色に合った独自の英語教材の開発が急がれるという実態も明らかになった。 研究期間全体を通して、本研究代表者および分担者は、それぞれの勤務校での日常的な授業において本研究の趣旨に沿った授業実践が可能であり、その中で多くの知見を得ながら新たな教材や教授法等の研究開発を継続した。 本研究代表者(亀山)の勤務校では、「グローバルエンジニア育成プログラム(国立高等専門学校機構)」に本研究の成果を応用し、技術英検で多くの合格者を出すなどして高い評価を受けた。 また、研究分担者(青山、武田)もそれぞれ独自の授業実践を行い、青山は高学年での英語授業に専門分野のテキストを使うことで、低学年からの継続した高専独自の英語教育の必要性を明らかにした。また武田は「授業のデジタル化」を推進し、Clips, Mentimeter, Flip, Quizletなどのネットアプリを有効活用した効率的な授業モデルの確立に貢献した。
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