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2022 年度 実施状況報告書

異文化ビジネスの事例を用いた英語オンライン多文化共修の教材の開発と総合的評価

研究課題

研究課題/領域番号 21K00762
研究機関長崎大学

研究代表者

丸山 真純  長崎大学, 経済学部, 准教授 (00304923)

研究分担者 古村 由美子  名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (30336036)
桑村 テレサ  京都先端科学大学, 経済経営学部, 准教授 (30639646)
鈴木 章能  長崎大学, 教育学部, 教授 (70350733)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードオンライン多文化共修 / 異文化コミュニケーション
研究実績の概要

丸山は、前半を在外研究にて、フィンランドでの研究活動を行なった。他の研究と合わせて、本課題と直接的に関わるオンライン多文化共修ならびに学ぶことについての多面的研究を行った。成果として、オンライン多文化共修の可能性と概念的整理を行い、論文として発表した。また、留学生への異文化コミュニケーションの英語ゼミを実践し、多文化共修実践についての実践知を高めた。また、鈴木らとともに、経営学の観点からの企業のDXと英語の意義、ならびに教育の方法について考えた。これらは翻訳書で成果を出した。
鈴木は、それに加えて、英語の意義と教育の方法について、以前実践したCOIL授業の方法と提言に関する新たなデータを加えてまとめた。さらに、英語の習得は学習者のエンゲージメントがなければ始まらないことから、その具体的な方法について考察した。その成果は、具体的な授業案として、論文ならびに講演で示した。
桑村は、ホフステッドの文化と経営の理論からケーススタディを二つ研究した上で、このケーススタディが英語の授業でどのように活かせるのか考察を行った。国際戦略の4Pセオリーを教えたうえで、英語のひな形とともに、ケーススタディを4Pセオリーから選び、その理由を英語で述べる方法、ならびに企業を直接訪問して英語にて、マネージャーとの質疑応答を行う方法を構築、実践した。これらが方法論のよい例示となるはずである。
古村は、異文化コミュニケーション能力を高めるためのPBLを用いたオンライン多文化共修(日本とコスタリカ)を実践した(枠組みとして、Council of Europe’s Reference Framework of Competences for Democratic Culture の一部を参考にした)。結果、多文化共修が異文化コミュニケーション能力の涵養に寄与したことを明らかしにし、論文で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究が「やや遅れている」と評価するのは、第一に、依然として、コロナ禍の影響のため、海外渡航が制限されていたため、海外で予定していた研究が一部実施できていないことがある。
また、大学での業務が、みな一様に多忙であることも理由の一つである。特に、在外研究後の研究代表者は、不在期間一年分の授業などを半期でこなす必要があったため、本研究に充分な時間を割くことが困難であった。
一方、着実に成果があがっている面もある。多文化共修に関する試行的な部分は実施できており、実践知が蓄積できている。また、教材開発についても着実に成果が上がっている。共修の評価方法についてもいくつか試行的データを収集し、分析を開始している。
以上を勘案して、「やや」遅れているとした。

今後の研究の推進方策

研究2年間で、フィンランドでの在学研究期間なども含め、多文化共修の知見の獲得、留学生への英語でのセミナーの実践、多文化共修の試行(日本とコスタリカ)、評価方法の検討と評価実施への習熟(試行)、共修に適切な教材の開発と検討を、主として研究者が個別に行ってきた。
研究最終年度である次年度は、これまでの実践の試行などをふまえて、個々の研究成果を統合し、さらに難易度の高い、オンライン技術が可能にした多文化共修の実践、および受講生への評価、共修そのものの教育効果の検証などを行う。具体的には、日本の2大学(長崎大学・名古屋外国語大学)とコスタリカの大学をオンラインで結び、これまでの研究で開発・考案した教材を利用して、多文化共修を実践する。長崎大学の受講生は主として欧米からの留学生であり、名古屋外国語大学は日本人学生である。コスタリカの大学はコスタリカ人学生である。したがって、オンラインで結ばれる受講生は、それぞれユニークな受講生から構成されており、3大学あわせると非常に多様な受講生が共修する。さらに、それをオンラインにて共修をするというかなり難易度の高い試みとなる。
この難易度の高い試みは、教員の協働(であり、教員の共修でもある)と、アクションリサーチの手法を用いた、適時の改善を試みながら、受講生の学びの推進を試みる。共修中の観察によるデータ収集とともに、事前・事後の学生の技能・態度・行動などの変化を定量・定性的に分析をして、この共修が、どのような変化・効果をもたらしたかを検証する。また、特に、日本人受講生の英語能力の向上や英語への態度の変容についての考察を行う。
その結果をふまえ、次年度以降の実践に繋げる。また、実践のための教材開発、共修のための教育手法の開発、評価手法の改善などを継続し、オンライン技術が可能にした、21世紀型スキル・能力の涵養に資する教育実践へと発展させる。

次年度使用額が生じた理由

残額が生じたのは、コロナ禍により、依然として海外渡航が制限されていたため、海外での研究活動をが行えない部分があったことによる。
渡航制限が緩和されつつあるため、次年度において、海外での研究活動(学会発表、資料収集、研究打ち合わせ)に使用する予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] ポストコロナとオンライン多文化共修 ―トランスカルチュラル・コミュニケーションの視点から―2022

    • 著者名/発表者名
      丸山真純
    • 雑誌名

      九州コミュニケーション研究

      巻: 20 ページ: 43-55

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日米フィンランドの「 文 化 の 三 角 測 量 」を 通じた異文化理解促進方法の構築とフィンランドのシティズンシップ教育( 多 様 性 教 育・多文 化 共 生 )の 現 状と課 題2022

    • 著者名/発表者名
      丸山真純
    • 雑誌名

      村田学術振興財団年報

      巻: 36 ページ: 772-773

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 他人事(ひとごと)に終わらせない英語リーディング教材の用い方 ―エレガント・バリエーションを用いて他者理解の心と実践を自然で豊かな英語表現力と共に促進する―2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木章能
    • 雑誌名

      ヒューマニスティック英語教育研究会紀要

      巻: 2 ページ: 181-188

  • [雑誌論文] Project-based learning to develop Intercultural Communicative Competence in virtual exchange contexts2022

    • 著者名/発表者名
      Ana Vivian Fernandez Peraza, Yumiko Furumura
    • 雑誌名

      International Journal of Computer-Assisted Language Learning and Teaching

      巻: 12(3) ページ: 1-17

  • [学会発表] 鏡としてのフィンランド:文化の三角測量の視点から2022

    • 著者名/発表者名
      丸山真純
    • 学会等名
      日本メディア英語学会新語・語法研究分科会(157回)(オンライン)
    • 招待講演
  • [学会発表] フィンランドと(英語)教育: 学校訪問の経験から2022

    • 著者名/発表者名
      丸山真純
    • 学会等名
      第12回日本メディア英語学会年次大会
    • 招待講演
  • [学会発表] トランスランゲージングとリンガフランカとしての英語論2022

    • 著者名/発表者名
      丸山真純
    • 学会等名
      第1回日本CLIL教育学会中国支部大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 主体的学びを引き出す英語授業をデザインする2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木章能
    • 学会等名
      第109回 英語の先生応援セミナー
    • 招待講演
  • [図書] デジタル化に遅れる国の現実と末路 : ドイツのいま、日本の未来2022

    • 著者名/発表者名
      Cornelius Boersch, Thomas Middelhoff  鈴木章能(監訳) 丸山真純(訳)
    • 総ページ数
      390
    • 出版者
      一粒書房
    • ISBN
      978-4-86743-090-3
  • [図書] Fundamental Postulates, Extensions and Irregularities in English Medium Instruction2022

    • 著者名/発表者名
      Masashi Nagai, Akiyoshi Suzuki, Teresa Kuwamura
    • 総ページ数
      74
    • 出版者
      Kaisei
    • ISBN
      978-4-87603-550-2
  • [図書] C.ロジャーズ「学生中心教育」の構造2022

    • 著者名/発表者名
      桑村テレサ
    • 総ページ数
      235
    • 出版者
      一粒書房
    • ISBN
      978-4-86743-092-7

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公開日: 2023-12-25  

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