研究課題/領域番号 |
21K00770
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
杉本 淳子 聖心女子大学, 現代教養学部, 准教授 (70407617)
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研究分担者 |
内田 洋子 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (50313383)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 発音指導 / 母音 / intelligibility / comprehensibility / 英語音声学 |
研究実績の概要 |
2021年度は本課題1年目として、主に先行文献研究と聴取実験のための録音準備にあてた。まず国内外で出版されている、英語母音の聴取実験に関わる主要文献の収集とレビューをおこなった。また、録音の準備として、本課題で取り上げる6つの母音対を中心とした単語リストの作成を行なった。単語を選定する際は、出現頻度の高い単語を選ぶこととし、General Service ListやCEFR-Jなどの語彙リストとの照合をおこなった。また、伝統的な日英対照分析や音声環境を基準として、最小対の洗い出しもおこなった。 6月にはオンラインで行われた国際学会PSLLTにおいて学会発表をおこなった。日本語を母語とする英語学習者がとくに発音に困難を覚える母音3ペアを含んだ単語リストを作成し発音してもらった。それを英語母語話者と日本語母語話者の2グループの実験参加者に明瞭度(intelligibility)と適合度(goodness)の評価をしてもらった。英語母語話者と日本語母語話者の評価に共通点は見られたものの、特定の母音において両者の違いも明らかになった。とくに NURSE-START母音とGOAT-THOUGHT母音の評価について個人差が大きく、評価が不安定であることがわかった。さらには、母音が生起する音声環境やつづり字の影響等にも注目する必要があることがわかった。発音と聞き取りには強い関連があることから、同じ学習者についての聴取実験と発音評価の両方を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度から続く新型コロナ感染症の影響を受け、2021年度も研究に関わる各種作業がやや遅れ気味であったため。
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今後の研究の推進方策 |
録音準備の大体のところは前年度中に終えているため、今年度は前期中には速やかに録音作業を終え、次のステップに進む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
作業がやや遅れていたことと、新型コロナウイルス感染症の影響のため。遅れていた録音作業と対面で開催される予定の学会参加のために使用予定である。
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