研究課題/領域番号 |
21K00771
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
磯 達夫 東京電機大学, 工学部, 教授 (40438916)
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研究分担者 |
相澤 一美 東京電機大学, 工学部, 教授 (00222448)
ナダスティ ポール 東京電機大学, 未来科学部, 准教授 (60807303)
佐藤 研仁 東京電機大学, 工学部, 講師 (60835924)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 語彙認知速度の測定 / 語彙サイズの測定 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,日本人英語学習者の語彙運用能力を測定するテストを開発し,語彙サイズと語彙認知速度の関係を調査することである。この目的のために,語彙サイズを測定するために最適な問題項目バンクを構築し,問題項目バンクに存在する各語について,認知速度に影響を及ぼす可能性のある特徴(語長・接辞の有無・発音困難度・綴りが類似している語(以下,類似語)の有無)を調査する。問題項目バンク内の語に,接辞を付加・削除した語や類似語を加えて問題項目を増強し,語彙サイズと語彙認知速度の両方を同時に測定するテストプログラムを開発し,結果を統計的に分析することで,語彙サイズと語彙認知速度の関係を明らかにする。 2021年度は、テストプログラム自体の開発を行った。語彙認知速度の測定は語彙性判断テストの形式とし、提示される語が実在する英単語であるかどうかを判断するタスクとし、その後の画面で、語彙サイズ測定のために、提示された語の日本語の意味を5つの選択肢から選ぶこととした。5つの選択肢のうち、1つは正解の選択肢、3つは綴りや発音の面で目標語に類似性がある英単語の日本語訳であり、残りの1つは「分からない」とした。これは、語彙性判断課題において、出題者が意図していない語を認識した可能性を可能な限り排除するための方策である。つまり、目標語がstationaryであるにもかかわらず、stationeryやstationといった語として被験者が認識していた場合に、その語に対する認知速度を集計の際に排除する必要があるためである。 テストプログラムは、家庭用コンピュータやスマートフォン、タブレット等の端末で稼働するように、また、ウェブブラウザ上で作動するように設計し、Java Scriptを使って作成した。さらに、問題項目を外部ファイルに記載し、問題項目の変更が容易に出来るようにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テストプログラム自体の作成が終了し、約900名の実験参加者のデータを得ることが出来た。このデータを分析し、語彙認知速度の測定が正確に行われているかを検証する段階に到達している。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は2021年度に作成したテストプログラムを実施して得たデータを分析し、語彙認知速度の測定が正確に行われているかを検証する必要がある。同時に、各問題項目への解答を項目応答理論を用いて分析し、問題項目の入れ替えを行い、テスト項目を確定する予定である。 また、それらのテスト項目に対し、語彙認知速度に影響を与える要因が組み込まれている語(例 stationaryという目標語に対してstationery)を問題項目として追加し、認知速度の測定精度を高めるための項目選定を行い、問題項目を確定させる。 問題項目の確定後は、大規模にテストを実施し、データ収集・分析の後、語彙サイズと語彙認知速度との間の関係について考察を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた海外での学会発表がオンラインでの開催となり、旅費として使用する事が出来なかったため。また、テストプログラムの作成にあたり、その一部を外部委託する可能性があったが、研究代表者と分担者の能力の範囲内で作成できたため、外部委託費用が不要となった。 しかし、データの分析を進め、プログラムの改編が必要となった場合、代表者と分担者の能力を超える技能・知識が必要となる場合には、再度外部委託を検討し、必要があればその費用とする予定である。
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