研究実績の概要 |
令和5年5月からCOVID-19の位置づけが第5類染症へ移行し,大学授業を対面に戻す動きが一層加速した。本研究チーム分担者も,各所属機関の授業形態指定制約によりハイフレックス授業の実施が難しく,前年度に続き課題計画を修正して研究を進めた。幸い,初年度実施したハイフレックス授業の考察を4本,本年度に論文化し(杉江, 2023: 杉江他,2023: 砂岡,杉江, 2024: 2024 in press),それぞれ国内外の学会で研究成果報告と学術誌掲載した。 他にもハイフレックス授業を支える言語教育の基本課題に取り組み,全体を通じての研究成果として国内外の学会で発表し,論文化を行った。具体的には,中国と日本の英語早期教育の政策と理念に関する国際共同論文1本(Jiayan Zeng et.al,2024),小学校と大学の外国語教育の資源配置についての共同論文1本(杉江他,2024), 大学の多言語PBLや生成型AI活用の授業デザイン(Sugie, 2023: 杉江,2023)各1本,中国語授業のOral interactionデータとその自動Transcription高度化に関する論文4本(砂岡他, 2023a:砂岡他,2023b:徐勤他, 2024:砂岡,2024),学習者とのインタラクション活性化手段としてのチャット交流言語資源の分析1本(譚他,2024)を,それぞれ情報系・教育工学系・人文系学会で発表を行い,論文集に掲載した。 研究期間の後半は教育政策に阻まれ,ハイフレックスデザインそのものは十分に追及できなかったが,上記成果の各要素は,今後の遺産として活かすことができる。未解決課題は,令和6年から新規採択された科研課題(JSPS科研費課題番号24K04091)でハイフレックス型授業の遺産を継承発展させ,外国語教育のDXに向け,語学教員の授業力向上を支援する研究に繋げる。
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