研究課題/領域番号 |
21K00778
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研究機関 | 函館工業高等専門学校 |
研究代表者 |
taquet david 函館工業高等専門学校, 一般系, 准教授 (50710901)
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研究分担者 |
小野 真嗣 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10369902) [辞退]
オレクサ ロバート 函館工業高等専門学校, 一般人文系, 准教授 (40803713)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Virtual Reality / Iconicity / Language / Education technology / 多文化コミュニケーション |
研究実績の概要 |
まず、研究プロトコルを作成し、機器の設定、実際の実験に適した環境の確保、安定したインターネット接続を行い,技術的な困難を克服することが必要でした。学生に研究をアピールし、一緒に研究する被験者を募集しました。 研究実績としては,令和3年5月24日にテンプル大学ジャパンキャンパス修士課程学生に対してセミナーを実施しました。このセミナーは、教育分野においてバーチャルリアリティの様々な活用方法を研究している学生を対象としています。このプレゼンテーションを作成することで、私と共同研究者は、「iconicity」「presence」「immersion」というコンセプトをさらに定義することができました。10月23日にJapan Second Language Acquisition (J-SLA)学会にこの研究についてポスター発表を実施しました. この学会は、言語学習を応用した言語学に焦点を当てたものです。この会議では、私たちの研究プロトコル、科研費で達成したいこと、そして予備的な結果について発表しました。英語環境でのVRの様々な利用法について建設的な議論を行いましたが、 技術的な目標として,技術系の学生に安全を教えるための仮想空間の作成があります。12月26日にVRとナレーションについてフランスLille大学の人文系ドクタースクールに発表しました。最後に、続けて東京工業大学環境・社会理工学院 融合理工学系A.I. in Education Seminarにこの研究を発表しています.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度では、本校がCovid19の被害に遭い、これ以上の感染拡大を防ぐために、学校側が非常に厳しい対策を行いました。何度もオンライン授業に移行し、学生を集めてきちんと研究指導をすることができませんでした。そのため、実験やデータ収集に遅れが生じてしまいました。また、低学年の学生はストレスが多く、コミュニケーションに支障をきたす可能性があることもわかりました。そこで、低学年学生ではなく、専攻科生(21-22歳)を被験者として採用することにしました。現在、ミューズ(市販の基礎的な脳波測定装置)を用いて、脳波を含む生体計測の拡大を検討しています。また、ガルバニック反応による生体計測の可能性もあります。また、現在、海外のパートナーとのコラボレーションを計画しています。シンガポール、ベルギー、フランス、イタリアなどの学校との国際交流によるネットワークを活用し日本の学生の結果と比較するための対照群を作ることができると考えています。令和3年度に函館高専では、国際寮を開設しました。日本人学生と留学生が共同生活し、さまざまな研究に取り組むことができる居住空間と共同スペースを備えた建物です。 この国際寮では、様々な国の学生同士、また他の参加者と交流できるようなVR空間やアクティビティプログラムの構築を予定しています。
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今後の研究の推進方策 |
このプロジェクトでは、今後2つの分野に焦点を当てる予定です。まず、プロジェクトとこれまでの進捗状況を共有すること、そして、実験から有効なデータを得るために研究プロトコルを改良することです。 まず、これまでの成果を共有するために、すでに2つの学会参加を予定しています。2022年の6月には、「Playfull Call」をテーマとするJALT CALL 2022で発表を実施する予定です。この発表では、ネイティブスピーカー環境での言語学習に有用と思われるVRアプリをいくつか公開する予定です。そして、11月にフランスで開催される国際学会での発表が決まりました。そこでは、文学におけるストーリー空間とバーチャルリアリティの関連性を探る予定です。 低レベルの学生を対象とした実験を行った後、TOEIC500点以上の学生に参加してもらいたいと考えています。英語の流暢さや正確さが増すことで、緊張が和らぎ、より自由なコミュニケーションが可能になると考えています。 そこで、「Compleat Lexical Tutor」を用いて、研究参加者の発話を分析し、次のような議題に対する答えを導き出したいと考えています。 1.被験者はジェスチャー(特に身振り逆に、他のユーザーのジェスチャーを観察して意味を導き出すことができたか?2. ジェスチャー(特にハンドジェスチャー)を効果的に使って、口頭でのコミュニケーションを補完することができたか?3.一方、他のユーザーのジェスチャーを観察し、その意味するところを理解することができたか?4.VRを頻繁に繰り返し体験することで、被験者の言語能力の向上を定量的に測定できるか? 実験が進み、研究プロトコルがさらに洗練されれば、新たな研究の道筋や目標が生まれ、当初の目標や目的を見直すことになると確信しています。
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次年度使用額が生じた理由 |
プロジェクト初年度(2021-2022年)は、主にVRヘッドセット、生体電気測定器などの機材購入が必要でした。バーチャルリアリティの現状を発表し、学ぶためにも学会に行きたかったのですが、Covid19危機の影響でほとんどの学会がオンラインに移行したため、旅費は必要ありませんでした。2年目は、自分たちの研究を共有し、同じ志を持つ研究者と協力し合えるネットワークを作ることに力を注ぎたいと考えています。そのために、国際会議への出席を心がけ、予算のかなりの部分を旅費に充てる予定です。
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