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2023 年度 実施状況報告書

英語の感情音声の特性分析と表現力を高める指導法の検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K00792
研究機関順天堂大学

研究代表者

金子 育世  順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (00360115)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード第二言語習得 / 英語の感情音声 / 音響特性 / 表現力 / スピーキング / 吹き替え
研究実績の概要

本研究の目的は、日本人英語学習者の感情表現能力を養成するための効果的な指導法を開発することである。本目的を完遂するためにまず、日本人英語学習者による感情音声の習得状況および特徴を明らかにしたうえで、感情表現能力を向上させるためにどのような学習方法が効果的であるかを検証する。最終的に、感情表現能力向上に繋がる指導法を考案し、英語教育への応用を目指す。
2022年度から、映画の一場面の会話の吹き替え(voiceover acting)を異なる方法で指導し、日本人英語学習者の感情音声の変化を観測してきたが、2023年度は新たな方法での指導を試み、以前行った指導方法と比較し、どのような指導方法が韻律パターンを向上させるかを検証した。具体的には、日本人大学生を実験参加者とし、映画『シュレック』の一場面を教材として20分×5回の指導を行い、指導前と指導後の会話の吹き替えを比較した。実験参加者を3グループに分け、異なる方法で指導を行った。一つのグループ(Praat group)では音響分析ソフトウェアPraatを使用し、ピッチカープなどの音響信号に注目し、学生自らの発話のイントネーションカーブを映画の登場人物のものと一致させるよう指導した。残り二つのグループ(Online mirroring group, Face-to-face mirroring group)では、映画の登場人物の口や顔の動きに注目し、それを模倣(ミラーリング)するよう、それぞれオンラインと対面で指導した。
指導後、すべてのグループで韻律パターンの改善が観測されたが、Praatグループでは破裂音の母音開始時間(VOT)が映画の登場人物のものに近づいた。Mirroringグループではイントネーションのピッチ幅(pitch range)が映画の登場人物のものに近づいたが、対面の方がピッチの変化が大きかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍により円滑に進めることができていなかった生成実験の実施、音声データの収集、各種音響パラメターの計測、分析を進めることができた。また、研究成果を国際学会において発表することができた。

今後の研究の推進方策

日本人英語学習者による感情音声の習得状況と特徴を観測するための音声データを引き続き収集しながら、音声データの各種音響パラメターの計測、分析を進め、どのような指導法が感情音声のどの部分に効果があるのかを検証する。検証結果に基づき、感情表現能力を向上させるための学習法を提案する。
また、2024年度は最終年度であることから,学会や論文等による研究成果の発表にも力を入れたい。

次年度使用額が生じた理由

海外で開催された国際学会にオンラインで参加したことにより、未使用の旅費が発生した。また、国外で行う予定だったデータ収集や文献の渉猟も国内で行ったため、旅費や謝金として計上していた予算も計画していたほど使用しなかった。
2024年度は最終年度であるため,学会や研究会での成果発表や論文の投稿にも力を入れる予定である。前年度未使用分は研究成果発表に掛かる費用に充てたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Effects of pedagogical reinforcements on emotional prosody observed in voiceover acting2023

    • 著者名/発表者名
      Kaneko, I & Yamane, N
    • 学会等名
      AILA 2023
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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