研究課題/領域番号 |
21K00799
|
研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
石田 知美 日本福祉大学, 全学教育センター, 講師 (30747449)
|
研究分担者 |
梶浦 眞由美 愛知淑徳大学, 教育部門・センター, 講師 (70849025)
杉浦 正利 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (80216308)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | アイトラッキング / 統語処理 / 第二言語学習者 / 文法性判断課題 / 自他動詞 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、第二言語学習者の統語処理について統語予測の観点から分析し、英語母語話者との差異を明らかにすることである。Brothers, Hoversten and Traxler(2021)を基に自動詞他動詞を実験対象にして、実験項目を作成し、視線計測実験のためのプログラムを作った。先行研究で使用された統語的ガーデンパス実験文は、語彙レベルも高く日本人英語学習者にとって未知語を多く含むと想定されたので、実験文を日本人英語学習者に適切なレベルに修正した。また、自動詞他動詞の知識の有無を確認するため文法性判断課題と自他動詞の知識確認テストも作成した。自他動詞知識確認テストは、動詞((例 visit)が1)自動詞でしか使われない、2)(自動詞他動詞の)両方で使用されるが自動詞でよく使用される、3)(自動詞他動詞の)両方で使用されるが他動詞でよく使用される、4)他動詞でしか使われない、5)わからないの5択でテストした。予備実験の結果から、第二言語学習者の特定の自他動詞の理解は、実際の自他動詞のふるまいとは相違がある可能性が示唆された。この結果は、例え高頻度の動詞であっても、自他動詞の知識は欠落していることが指摘された。本研究では、自他動詞の明示的な知識の有無によって、どのように統語処理が変化するかを観察する。文法性判断課題は、自他動詞を含む実験文を提示し、動詞のふるまいが文法的に正しいか否かを判断するタスクを作成した。さらに、digit spanテストとアンチサッケードテストも作成し、実験参加者のワーキングメモリーや視覚抑制機能の要因も検証する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在、予備実験の結果を踏まえて修正し、本実験に入っている。本実験では、視線計測実験だけでなく、文法性判断課題と自他動詞知識調査もあわせて行っている。コロナ禍で英語母語話者の募集は容易ではなかったが、次年度は本格的に募集をしていく。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、視線計測実験、文法性判断課題及び自他動詞知識調査の実験データを収集し、分析した上で、自他動詞についての明示的な知識がある場合とない場合に分類して、統語処理が知識の有無によってどのように変化するのか検証する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で、英語母語話者の実験参加者が予定より集まらなかったことで、使用予定の謝金が次年度繰り越しとなった。また、実験が遅れているため、国際学会発表のための旅費も繰り越している。
|