研究課題/領域番号 |
21K00801
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
前川 和美 関西学院大学, 産業研究所, 助教 (60844347)
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研究分担者 |
鳥越 隆士 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (10183881) [辞退]
武居 渡 金沢大学, 学校教育系, 教授 (70322112)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 日本手話 / ろう児 / 手話指導 / 絵本読み聞かせ / カリキュラム開発 / 難聴児 / 聴覚障害児 |
研究実績の概要 |
本研究は、2022年度に引き続き、ろう児をもつ聞こえる親への手話指導法に関して親のニーズに即した、手話指導カリキュラムの改善・開発を行うことを目的としている。 2023年度は、アメリカ東海岸へ渡航し、ろう・難聴児を対象とした教育施設の現地視察(学校見学)、及びろう・難聴児への早期介入を行っているろう学校、親の会代表者等にヒアリング調査を行った。調査の結果、アメリカでは、家庭訪問支援や親・きょうだいへの手話指導の支援がなされていた。 日本国内においては、聴覚障害児を対象とした教育施設4校、関東(埼玉)・東北(山形)・関西(奈良)・九州(鹿児島)のろう学校へ視察及びヒアリング調査を行った。手話指導を定期的に導入している学校と導入していない学校との差が大きく、人材確保や療育の専門性に問題があることが明らかになった。 アメリカや国内で調査したほとんどのろう学校において、聞こえる親を対象とした手話指導は、学内のろう・難聴当事者教員や地元の聴覚障害者協会会員、在校生のろう者の親がボランティアとして指導にあたっていることがわかった。また手話指導に対する特別な手当ての支給は統一されておらず、手話を言語として指導する知識を得ないまま指導にあたっている学校もあった。 教材については、日本手話のネイティブであるろう者が手話による絵本読み聞かせを動画にし、オンラインで見れるように作成していた。 以上の結果から、次年度はオンラインでの手話指導などの可能性も模索しながら、手話による絵本読み聞かせの教材を充実させること、手話指導カリキュラムのさらなる改善を目指したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内外での手話指導現場の視察を行い、大いに参考になった。
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今後の研究の推進方策 |
絵本の手話語りに焦点をあて、絵本の手話語りを行ったデータ撮影を分析し、より充実したカリキュラム開発を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ渦で計画通りに執行することができなかった。 2024年度はオンラインによる手話指導教材の統一の準備、手話による絵本読み聞かせの教材データを収集し、手話指導カリキュラムのさらなる改善を目指すために執行する。
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