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2022 年度 実施状況報告書

中近世移行期の門跡に関する史料学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K00840
研究機関鶴見大学

研究代表者

近藤 祐介  鶴見大学, 文学部, 准教授 (40578689)

研究分担者 石津 裕之  東京大学, 史料編纂所, 助教 (50812674)
芳澤 元  明星大学, 人文学部, 准教授 (60795441)
菊地 大樹  東京大学, 史料編纂所, 教授 (80272508)
小池 勝也  中京大学, 文学部, 講師 (10906241)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード門跡寺院 / 寺院史 / 中近世移行期
研究実績の概要

本研究は中近世移行期となる15世紀から17世紀を中心に、門跡寺院に関わる史料を収集し総体的な検討を行うことで、中近世移行期における宗教史の分野横断的な議論を試みるものである。
2022年度もコロナウィルス感染拡大の影響により、科研メンバー全体での調査の実施は見送ることとなったが、オンライン会議などで情報共有をしつつ、各メンバーがそれぞれの担当作業を進めた。
①聖護院門跡関連では、昨年度調査した京都大学古文書室所蔵の『聖護院若王子記録』(11冊)の紙焼を購入し、史料の翻刻・分析を進めた。また、『聖護院文書』に残された、17世紀後半の駿河国富士村山三坊に関する史料3点を分析することで、富士村山三坊が本山派へ帰属する経緯と、そこにおける聖護院門跡と院家勝仙院の役割について検討を進めた。②青蓮院門跡関連では、他の研究グループと共同で、青蓮院吉水蔵聖教の調査を開始し、曼殊院門跡の研究を進めた。また、近世の本末関係に関する刊本史料・未刊行史料から門跡の「寺務所」・「支配所」に関する用語を抽出し、分析を加えた。③東国の門跡寺院関連では、南北朝期から戦国期かけての鶴岡八幡宮寺別当について検討を行った。④そのほかに、門跡論の幅を拡げるために、刊本史料などを利用し、室町期を中心に門跡周辺の文化的交流やネットワークについて分析を進めた。
以上のほか、史料集や研究書などの書籍購入によって研究推進の基盤整備を進めるとともに、各メンバーが論文執筆・研究発表等によって成果を発信した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナウィルス感染拡大の影響などにより、当初予定されていた科研メンバー全体での調査を実施することは叶わなかったが、メールやオンライン会議などを活用し、科研メンバー間で情報を共有しつつ、各自が担当する門跡寺院についての史料調査や史料翻刻、データ収集などの作業を進めることが出来た。

今後の研究の推進方策

『聖護院若王子記録』の翻刻作業を継続して進めるとともに、叡山文庫に出張し、同所所蔵の近世の門跡「寺務所」・「支配所」に関する史料、天台門跡に関わる史料などを中心に調査を実施する予定である。また中世の日光山と鶴岡八幡宮寺に関わる史料の掘り起こしを行う。
またシンポジウム開催に向けた打ち合わせと準備を本格化させていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナウィルス感染拡大の影響などにより、科研メンバー全体での史料調査を実施できなかったこともあり、全体的に旅費の支出が少なかったため次年度使用額が生じた。その分、史料集や紙焼史料の購入などにより物品費での支出が多くなった。
2023年度は叡山文庫への調査のほか、史料翻刻作業に関わる謝金、シンポジウム開催に向けた準備作業などで支出が見込まれる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 富士村山三坊における近世的体制の成立2023

    • 著者名/発表者名
      近藤祐介
    • 雑誌名

      山岳修験

      巻: 70 ページ: 19ー32

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 青蓮院吉水蔵慈円関係聖教について(下)2023

    • 著者名/発表者名
      阿部泰郎、菊地大樹
    • 雑誌名

      東京大学史料編纂所研究紀要

      巻: 33 ページ: 33-50

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 耕雲散人子晋明魏と室町文化―明徳・応永期の寺社縁起と臨済宗法燈派―2023

    • 著者名/発表者名
      芳澤元
    • 雑誌名

      明星大学研究紀要 人文学部・日本文化学科

      巻: 31 ページ: 29-50

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 室町社会の宴と肉食禁忌―精進料理の歴史的前提―2022

    • 著者名/発表者名
      芳澤元
    • 雑誌名

      歴史学研究

      巻: 1027 ページ: 12-25,61-62

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 鶴岡八幡宮寺新宮の成立と展開2022

    • 著者名/発表者名
      小池勝也
    • 雑誌名

      佛教史学研究

      巻: 64-1 ページ: ー

  • [学会発表] Temple and Shrine Law :Between the Sacred and the Profane(寺社法-聖と俗の狭間で‐)2022

    • 著者名/発表者名
      小池勝也
    • 学会等名
      Japanese Legal History Workshop(日本法制史ワークショップ)
    • 国際学会
  • [図書] 論点・日本史学2022

    • 著者名/発表者名
      岩城卓二、上島享、河西秀哉、塩出浩之、谷川穣、告井幸男編著(芳澤元分担執筆)
    • 総ページ数
      388
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623093496
  • [図書] 古河公方の新研究 第1巻 足利成氏・政氏2022

    • 著者名/発表者名
      黒田基樹編著(小池勝也分担執筆)
    • 総ページ数
      406
    • 出版者
      戎光祥出版

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公開日: 2023-12-25  

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