研究課題/領域番号 |
21K00862
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研究機関 | 広島経済大学 |
研究代表者 |
平下 義記 広島経済大学, 経済学部, 准教授 (20780810)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 近代法体系 / 民法 / 商法 / 福山義倉 |
研究実績の概要 |
2021年度の研究実績としては、下記①~③のようになっている。 ①数度の史料調査と収集史料の翻刻作業により、利用史料の概要把握と分析素材の充実を果たした。 具体的には、一般財団法人義倉所蔵「義倉文書」の内、明治初年から33年までの「日記」、「会議録」、「官庁応答」、を収集し、翻刻を完了させた。史料は、簿冊ベースで約40点、翻刻した史料はMSワードのテキストで約3,000ページに上る。また、義倉の運営者の個人文書(「信岡家文書」、「神野家文書」、「河相家文書」)について所蔵者に照会のための連絡をする等して、情報収集を進めた。関連して、『芸備日日新聞』、『中国新聞』等の地元新聞の記事収集を完了させた。新聞記事の目録を活用し、約150点の記事を集めた。 ②近世後期から明治期にかけての地域社会史研究、経済史研究、ならびに近代法体系(民法・商法)を対象とした研究文献を収集し、関連する研究動向の理解を深めた。 地域社会史研究としては、研究分野が近いがフィールドが異なる研究、研究分野は異なるがフィールドが近い研究、の2つのものを意識的に集めることで、研究成果をできうる限り広く位置付ける準備作業を進めた。経済史研究としては、義倉の経営状況の分析に応用できる研究手法を学ぶために収集した。法制史研究の成果については、研究期間の開始段階では十分に把握できていなかったが、文献収集と読み込みにより、本研究に活用する道筋を立てることができた。 ③本研究に関連する重要な先行研究について、書評原稿を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大により、予定していた史料調査を十分に実行することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、 ①継続的な史料調査ができるように尽くす。 ②日本史研究会での報告に招待されたため、そこで現時点での研究成果を発表する。 ③、上記①・②を踏まえ、研究成果を学術論文として投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により、予定していた史料調査を実施することが困難となったため。2022年度は、前年度に予定していた分も含め、調査旅行の完遂を目指す。
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