本研究は、前近代日本における地方寺社の宝物と宝物がまとう物語に関する文化史研究で、歴史・文学・美術研究の交差点に立ち、地域史と環境史に重点をおく。(1)富山市勝軍地蔵像の調査を実施して、『たたかう神仏の図像学』にまとめた。(2)中世吉崎御坊跡にたつあわら市願慶寺の文化財調査を進めた。(3)あわら市熊坂大仏と松龍寺千体仏の調査と研究を行なった。これらをふくめて(4)中近世加越能地域の水災の表象と記憶に関する論考を公表し、『水の表象、水災の記憶(仮)』を刊行予定である。そのほか、(5)加越能地域の史料の翻刻・紹介し、(6)金沢市真宗寺院調査にも参画した。
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