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2023 年度 研究成果報告書

近世石筆文書に関する基礎的研究

研究課題

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研究課題/領域番号 21K00872
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03020:日本史関連
研究機関九州大学

研究代表者

岩崎 義則  九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (60294849)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード石筆文書 / 石筆(鉛筆) / 松浦熈 / 松浦静山(清) / 平戸藩楽歳堂文庫 / 赤石筆(赤鉛筆) / 赤石脂
研究成果の概要

本研究では,黒鉛(鉛筆)と和紙によって作成された文書を「石筆文書」と定義した。ヨーロッパからの石筆(鉛筆)の輸入にあたっては,長崎のオランダ商館が主要な窓口となった。また,将軍・幕閣・大名・蘭学者・オランダ通詞などについて,石筆の利用が確認できた。だが,石筆文書については,ほぼ唯一,平戸藩主・松浦熈の石筆文書のみが国内に伝来している。
熈の石筆文書の現物45点余を調査したが,その中には,赤石筆(赤鉛筆)による再読が施された特徴的な文書もあった。石筆文書の伝来については,平戸の城下町人・吉村家の例(30点余が伝来)が顕著である。城下町人との意思伝達をはかる際,熈により石筆文書が積極的に活用された。

自由記述の分野

日本近世史

研究成果の学術的意義や社会的意義

石筆(鉛筆)の素材・形状,ヨーロッパからの受容などを検討した結果,石筆文書が近世期特有の文書であることを明らかにした。徳川家康・伊達政宗については,利用した石筆は周知であるが,この石筆を用いて利用された文書は伝来していない。国内では,平戸藩主松浦熈の石筆のみが伝来していることを確認した。さらに,その石筆の筆記原料の一つであった赤石脂は,平戸藩楽歳堂文庫に蔵置されており,熈の石筆利用をめぐって,平戸藩では特異な環境が形成されていたこと解明した。本研究により,今後,石筆と石筆文書の調査研究に必要な基礎的な知見が確立した。さらには,ヨーロッパ由来の筆記具の受容について,基礎的なデータを提供した。

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公開日: 2025-01-30  

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