研究課題/領域番号 |
21K00879
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
小林 丈広 同志社大学, 文学部, 教授 (60467397)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 地域史 / 史料保存 / 日本史 |
研究実績の概要 |
2022年度もとくに年度前半はコロナ流行の影響を避けることができず、研究会や調査の計画に支障が出た。その中で、研究会は年度内に5回実施でき、京都府内での史料調査活動の歩みについて一定の知見を得た。また、京都市左京区大原地域で古文書の調査や保存活動をされている住民の方の実践についても詳しく話を聞くことができた。 調査についても感染状況を見ながら進めることになったが、東京都内の特別区の取り組みについて系統的に調査を進め、京都府内の南山城地域については旧家の調査を含め現地調査を何度か行った。また、京都府京丹後市、滋賀県長浜市、熊本県山鹿市、静岡県静岡市、愛知県犬山市、奈良県奈良市、鳥取県境港市、香川県丸亀市、北海道白老町などの調査を実施した。ただ、これらについてはいずれも予備調査の形を取り、旧家を訪ねての本格的な調査については後日を期すことにせざるを得なかった。 以前より調査を行っている京都市内の旧家や寺院の調査については本格的に調査を再開し、今後の進め方についても議論も行った。 また、研究成果の発信としては、以前聞き取りにご協力頂いた方の事績紹介を発行することができた。また、南山城地域における自治体史の編纂に協力し、年度内に史料集を発行することができた。京都市における文化財保護のあり方については、かねてより史料調査や聞き取りに協力頂いている旧家で何度か打ち合わせを行い、その聞き取りの記録を発行することができた。現在はこの旧家に関する写真集の刊行に向けて、補充調査と原稿作成を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究課題の採択時からコロナの流行に見舞われ、研究期間の最初の年度は大きな影響を避けることができなかった。2022年度からは本格的に調査を開始したが、これまでの遅れを取り戻すところまではいかなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度はこれまでの研究の遅れを取り戻すとともに、研究の目標についても再検討し、より有意義な研究成果のあり方を考えることにしたい。とくに、2022年度にまとめることができた聞き取りや史料集の成果を踏まえ、本研究が目指していた地に足がついた地域研究のあり方について、研究協力者の方々とも議論を深めながら、方向性を見出したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度のとくに年度前半期は、これまでに引き続きコロナ流行の影響を受け、調査や研究会を延期せざるを得ないケースが多かった。調査を再開できた地域についても、前回調査から3年以上間があいてしまったところが多く、あらためて調査の趣旨の説明など予備調査にとどまったところが多い。また、関係者の聞き取りについても、対象となる方が高齢の場合が多いということで、本格的な再開には至っていない。したがって、本研究課題による助成金の執行は2023年度から本格的に行う予定である。
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