研究課題/領域番号 |
21K00895
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
小尾 孝夫 大東文化大学, 文学部, 准教授 (90526675)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 建康 / 人口流動 / 東部ユーラシア / 都市空間 |
研究実績の概要 |
これまで、過去の南京における六朝時代の墓葬の発掘情報を、『文物』『考古』等の考古雑誌等より収集してきたが、2022年度までに2022年までの情報を記録し終えた。2023年度は、引き続きそれら諸情報の整理・分析を進める。この作業を通じて、継続して六朝時代の各時代における建康の郊外の範囲を跡づけ、各時代の建康の都市空間の実相を明らかにしていく。 また当該年度は、10月22日に開催された大東文化大学漢学会秋季大会において「梁代建康の発展について」と題する研究発表を行うとともに、分担執筆した『多元的中華世界の形成―東アジアの「古代末期」―』臨川書店(2023年2月)を公表した。 なお、当該年度には、国内において大宰府およびその関連史跡の調査をも実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度同様、コロナ禍により研究計画時に予定した南京調査を実施することができなかった。このため、南京における最新の考古学成果の情報等を十分に収集できず、建康城関連の施設や六朝墓の出土地の景観的な考察も行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、これまでに収集した南京における六朝墓葬の諸情報の整理・分析を本格的に行っていく。この作業を通じて、当該年度においては、とくに東晋時代から南朝時代における建康の郊外の範囲を跡づけ、当該時代の建康の都市空間の実相を明らかにしていく。また、引き続き建康およびその周辺のどこに僑民のための僑州郡県が設置されたかや、建康に流入した僑民が建康のどのような地域に居住したかを解明していく。 なお、2023年度もコロナ禍の影響によりすぐには南京調査を行えないことを想定し、当該年度も南京の研究者に当地の六朝墓葬や建康関係遺跡の発掘情報等の提供を積極的に求めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度同様、コロナ禍により南京調査実施や国内学会参加のための旅費を予定通り使用することができなかったため。 2023年度もコロナ禍の影響によりすぐには南京調査を行えない可能性があることから、資料の整理や分析等のための費用をより一層充実させていく予定である。
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