研究課題/領域番号 |
21K00911
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
臼杵 陽 日本女子大学, 文学部, 教授 (40203525)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アラブ諸国のユダヤ人 / イスラエルへの移民 / イラク / イエメン / モロッコ |
研究実績の概要 |
本研究においては、アラブ地域出身のユダヤ人に関して、以下の3つ具体的事例を取り上げて、アラブ諸国からのユダヤ人の移民過程の歴史を解明することを目標とする。すなわち、1.イスラエル周辺地域のアラブ諸国出身、とりわけイラクのユダヤ人、2.イスラエルと同じ環地中海地域の北アフリカ,特にモロッコ出身のユダヤ人、3.イスラエルの南方の紅海を隔てて位置するイエメン出身のユダヤ人。第一のイラクは、第一次世界大戦まではオスマン帝国の直接統治下にあった地域である。第二のイエメンはオスマン支配下では周辺的であった。また、第三のモロッコはほとんどオスマン帝国の支配を経験していない。 この三つの事例に関しては、フィールドワークによる調査に基づいて具体的にその実態を解明する予定であったが、新型コロナのパンデミックによって現地調査ができなくなったため、主に文献調査によってイラク系、モロッコ系、イエメン系のユダヤ人の状況を把握することに努めた。一年目は主にイラク系ユダヤ人のイスラエルへの移民に関する英語・ヘブライ語文献の整理および文献解題を行った。とりわけ、イスラエル移民前のイラクの首都バグダードの混乱した政治状況(頻発するユダヤ人に対する襲撃などのテロ事件など)、1948年のイスラエル建国に対するイラク政府のユダヤ人に対するイラクからの退去を命じる政治的な対応、そしてユダヤ人の経済活動をなどのテーマを中心にまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナによるパンデミック状況のため、現地調査を行うことができず、研究の進捗状況としてはやや遅れていると言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
アラブ諸国のユダヤ人について、2年目はモロッコ系ユダヤ人を中心に文献調査を行い、可能であればイスラエルで調査を行なう。さらに、3年目はイエメン系ユダヤ人を中心に、現地調査を中心に調査を行なう。そのうえで、イラク系ユダヤ人、モロッコ系ユダヤ人、イエメン系ユダヤ人の現状の比較を行なう。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、予定していた国内外出張ができず、旅費に当たる部分が未使用として残りました。次年度も、出張旅費として使用予定である。
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