研究課題/領域番号 |
21K00919
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
松尾 俊輔 明治大学, 法学部, 専任講師 (70847475)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | YMCA / スポーツ / プロテスタント / ウルグアイ / アルゼンチン / チリ |
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に引き続き、文献資料の調査を中心的な課題として取り組んだ。とりわけ、20世紀初頭ウルグアイ・モンテビデオの最初期YMCAの設立と解散、そして1909年以降に北米から派遣されたYMCA行政官との協力のもとでなされたYMCAの復興のプロセスについて、モンテビデオ・メソジスト教会の資料や、ウルグアイの新聞、そして北米YMCA文書館の資料を基に検討した。とりわけ、ウルグアイ側の資料と北米側の資料との間の齟齬や欠落について、相互を突き合わせつつ分析を行った。また、この過程においてもっとも中心的な役割を果たした人物であったウルグアイの政治家・大学教員であるエドゥアルド・モンテベルデの個人史についても、バイオグラフィーをもとに再考を行った。 また、この過程において、補足的な調査として、ウルグアイの宗教史・キリスト教史や20世紀初頭のバジェ・イ・オルドニェス政権下における世俗化政策、及びより広くスポーツとプロテスタンティズム一般に関する歴史についても、二次文献を中心とした文献調査を行った。 また、6月には国際体育スポーツ史学会(ISHPES)の年次大会に参加(スイス・ローザンヌ、オンライン参加)し、ウルグアイやブラジルの研究者らを中心に意見交換を行った。とりわけ、ウルグアイのスポーツ政策やスポーツの制度化といった側面に加え、ブラジルをはじめとした近隣諸国の事例に関しても、本研究にかかわる有力な意見交換ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
手持ちの資料の分析については予定通り進んでいるものの、新たな資料を渉猟するための海外資料調査が諸々の要因によりできていない。これは2024年度以降の課題となる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、ウルグアイ・モンテビデオに滞在し、YMCA及びプロテスタント教会に関わる資料の渉猟にあたる予定である。また、同年度はブラジル・クリチバで行われる国際体育スポーツ史学会にも参加し、各国の研究者らと意見交換を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物価の高騰等の理由により、海外での資料調査を予定通りの回数・日程で行うことが困難な状況になっており、そのため今年度は海外資料調査を見送り、その分で使用予定であった研究費を来年度に繰り越すこととした。 したがって、次年度使用額は来年度旅費として使用する。
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