研究課題/領域番号 |
21K00957
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研究機関 | 沖縄県立芸術大学 |
研究代表者 |
山本 正昭 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 研究員 (80789488)
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研究分担者 |
石井 龍太 城西大学, 経営学部, 准教授 (00712655)
森 達也 沖縄県立芸術大学, 美術工芸学部, 教授 (70572402)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 石積み技術の変化 / 石積みの高層化 / グスク時代の土木技術 / 築城技術の独自性 / 城郭概念の確立 |
研究実績の概要 |
2021年度の研究実績としては論文では「福建省沿岸部に分布する城郭遺跡の類型化とその特徴―琉球列島に所在する城郭遺跡検証過程での想定枠充実の試み―」『東アジアにおける南島研究 南島史学会創立50周年記念論集』南島史学会編 春風社、「グスクに見る石積み技法の変遷―石積み技法の編年化とその高層化を考える―」『沖縄県立博物館・美術館紀要』第15号、「首里城の原点についての一考察―グスク時代の遺跡で見られる隔離空間を再考する―」『首里城を解く―文化財継承のための礎を築く―』勉誠出版がある。 そして、レポート文では「明朝が築いた福建省の城郭―城郭としてのグスクの特徴を考える―」『しまたてぃ』№98 一般社団法人沖縄しまたて協会がある。 発表報告においては2021年10月3日に行った首里城再興学術ネットワークシンポジウム2021での「発掘調査成果から見る首里城正殿跡」、2021年11月20日に行った第100回沖縄文化協会研究発表会での「首里城正殿の故実」がある。 また広く一般への研究成果の公開活動として、2021年12月12日に豊見城市文化講座「グスクの石積みの構造と変遷」と題して公開講座を実施して本研究の内容について紹介した。更に2022年2月12日に実施した一般市民を対象としたフィールドワーク、沖縄県立博物館・美術館主催の学芸員講座『首里の大地と歴史を感じるフィールドツアー』や2021年2月6日と13日に実施した沖縄県立玉城青少年の家主催『集落散歩-當山区シーサーに護られた集落-』の中で今年度の研究成果の一部を披歴した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度は新型コロナウィルスによって、琉球列島各地における市町村への訪問自粛が要請されている中で、調査対象地における実地調査を行うことができず、また沖縄県内においても緊急事態宣言が発令されていた関係で、県外から来沖して、当該調査の打ち合わせ等が実施できなかった。 あわせて、中国・福建省での城郭遺跡調査においても、同様の理由により実施することができなかった。ただし、今後の研究方針、調査経過うの修正等、本事業を今後展開していく上での指針についてはリモートによる調整を行っている。 以上の理由により、当初に予定していた内容を実行することが叶わなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は2021年度から2023年度にかけての3カ年計画で進めていく予定であったが、昨年度はほとんど実施に至らなかったことから、1年期間を延長することを視野に入れて研究計画の見直しを検討していきたいと考えている。そして、当初予定していた中国・福建省を研究対象に入れていたが、現状を鑑みる限りでは2023年度の調査も厳しいものと予測できることから、対象地域を琉球列島にほぼ限定した形で実施していくことを今後の本研究の指針としていきたい。 また、沖縄県内外の考古学ならびに歴史学の関連学会、研究会では積極的に本事業の調査成果報告を行っていくとともに、意見交換をしながら本研究の成果を見出していくことを2022年度も基本姿勢としていきたい。昨今のコロナ禍により、事態を推測していくことは困難であるものの、 共同研究者との共同調査等については2023年度も綿密に連絡を取りながら、2~3回は琉球列島内の遺跡調査を行っていく予定である。 最後に沖縄県立博物館・美術館のエントランス展示において『首里城の屋根展』を10月~11月までに開催していく予定であるが、その中で本事業の一部を紹介していくことを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は沖縄県内ならびに鹿児島県内の各県離島での実地調査を予定していた。しかし、新型コロナ感染拡大にともなう沖縄県内での緊急事態宣言ならびに県外移動の自粛、来県自粛が長期間におよび実施されたことに加えて、新型コロナ等蔓延防止措置により、実地調査を自粛したことに因る。
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