立石寺の石造文化財について磨崖供養碑を中心に、再検証が必要なものについて調査をおこなった。その結果、建立者に関わる新たな情報を獲得することができた。特に重要となる弥陀洞地区については、その詳細なデータを論文で公表した。また、石造文化財からみた霊場の固有性を明らかにするため、立石寺と松島瑞巌寺・雄島との比較検討をおこなった。その結果、磨崖供養碑の形式について、立石寺は板碑形に一本化されているのに対し、松島では石塔と同様の形式変遷が認められることがわかった。また、建立者についても、松島は雄島を中心に「屋号」が多く、複数の家で建立している事例が多いなど、立石寺との違いが明らかになった。
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