研究課題/領域番号 |
21K00975
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
寺崎 秀一郎 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90287946)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 古代マヤ文明 / 都市研究 / 中心と周縁 / 3次元測量 / 3次元モデル |
研究実績の概要 |
本研究課題,特にその前半においては,ホンジュラス共和国西部に位置するコパン遺跡の周縁地域に展開する2次センターの精密な測量図を作成し,地中レーダーによる非破壊調査も合わせ,その盛衰について有効な成果が見込まれる調査地点を絞り込むことを計画していた。 しかしながら,2020年来の新型コロナウィルス感染症の拡大が沈静化せず,所属機関の通達もあり,海外渡航ができない状況が続いている。測量調査はもとより,出土資料もすべて現地に保管されていることから,資料の分析にも着手できない状況が続いている。さらに調査地の医療資源の問題も看過できず,フィールド調査を実現することができなかった。 そのため,国内において,本課題遂行の一助となり得る,全周カメラを用いたフォトグラメトリー実践の試験を続けている。具体的には,RICOH製のTHETA,Insta360社製のInsta360 One X2を用いて,静止画像,動画を撮影し,その画像情報をAgisoft社のMetashape,および,3Dflow社の3DF Zephyrで解析をおこなっているところである。3次元モデルの生成と合成における最適解がまだ得られておらず,フィールドでの運用に耐えられるレベルまでのまだテストが必要な状態である。機動性の高い全周カメラを実地に投入できれば,測量調査の期間短縮も見込めるため,まだ調査計画の大きな変更を検討する段階にはないと思われる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の拡大により,フィールド調査のための渡航ができず,研究対象地域における過去の出土資料の分析も資料が現地に保管されているため,実現できていない。現地の医療体制も日本に比べれば万全とは言い難く,早期の渡航,現地調査の着手は些か難しい状態にあると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
初年度に計画していた測量調査にまだ着手できていない中,渡航時期についても新型コロナウィルスの感染状況も含め,検討中であるが,本務との関係から実現は23年3月頃が有力である。予定よりも相当遅れているため,測量調査を迅速に進めるためにも,3次元スキャナーだけではなく,より短時間で3Dモデルの生成ができるフォトグラメトリーの活用も視野に入れ,準備を進める。そのためには,国内において,3次元スキャナーによる測定データとフォトグラメトリーデータの検証を進め,フィールドに投入できるノウハウを蓄積する予定である。つまり,短期の現地滞在でより多くのデータを採取することにより,研究計画の遅延を取り戻す予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は,新型コロナウィルス感染症の拡大のため,当初予定していた現地調査を実施することができなかったため,旅費,人件費等が発生せず,次年度使用額が生じた。上記の理由による研究計画の遅れを取り戻すべく,22年度においては,調査期間の延長,もしくは,研究協力者の増員を予定している。
|