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2021 年度 実施状況報告書

絶滅日本産哺乳類における形態機能学的画像解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K00985
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

佐々木 基樹  帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (50332482)

研究分担者 遠藤 秀紀  東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30249908)
都築 直  帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (60725430)
山田 一孝  麻布大学, 獣医学部, 教授 (80292093)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードニホンオオカミ / CT / 前頭洞 / 頭蓋腔 / 鼓室胞 / 容積
研究実績の概要

令和3年では、ニホンオオカミ(Canis lupus hodophilax)4個体、大陸のオオカミ(C. l. ssp., 以下オオカミssp.)16個体、そしてアキタイヌ(C. l. familiaris)4個体の頭蓋をCT撮像し、頭蓋全体容積、頭蓋腔容積、前頭洞容積そして鼓室胞容積を算出し、各容積と頭蓋全体容積に対する各容積の割合に対してデータ解析をおこない、これらオオカミ3亜種間の比較をおこなった。また、これら3亜種の外部形態の検索もおこなった。
外部形態の観察では、ニホンオオカミには2つの前翼孔が認められたが、他のオオカミssp.とアキタイヌでは前翼孔は1つであった。また、口蓋骨水平板の後端はニホンオオカミでは深く前方に切れ込んでいたが、オオカミssp.とアキタイヌでは後方へと突出していた。さらに、ニホンオオカミでは頬骨弓の最背側部分を側頭骨頬骨突起が占めていたが、オオカミssp.とアキタイヌでは頬骨前頭突起が占めていた。また、アキタイヌでは鼻骨と前頭骨の間に顕著なストップ(額段)とよばれる背側へのせり上がりが認められたが、ニホンオオカミとオオカミssp.にはストップは認められなかった。
CT画像解析では、ニホンオオカミの頭蓋全体容積に対する頭蓋腔容積の割合は他の亜種に比べて大きかった。また、ニホンオオカミの前頭洞容積と頭蓋全体容積に対する前頭洞容積の割合は他の2亜種とくらべて小さかった。さらに、鼓室胞では、ニホンオオカミとアキタイヌの鼓室胞容積と頭蓋全体容積に対する鼓室胞容積の割合は大陸のオオカミと比較すると優位に小さいことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ニホンオオカミやエゾオオカミの標本数を増やすために、それらを収蔵している博物館等の施設を訪問する予定であったが、コロナ感染拡大による移動制限により中止となり標本数が揃わなかった。さらに、ニホンオオカミの頭蓋模型の作製が進まなかったため。

今後の研究の推進方策

ニホンオオカミやエゾオオカミの標本数を増やすために、それらの収蔵施設に出向き標本を借受け、そして帯広畜産大学においてCT撮像を行う。また、データを解析し投稿論文を作成する。また、ニホンオオカミの頭蓋模型を実際に作製予定でいる。

次年度使用額が生じた理由

(理由)令和3年度にニホンオオカミやエゾオオカミの標本数を増やすために、それらを収蔵している博物館等の施設を訪問する予定であったが、コロナ感染拡大による移動制限により中止となり、またニホンオオカミの頭蓋模型の作製を計画に入れていたが、実際に作製までには至らなかったため。
(使用計画)令和4年度は、ニホンオオカミやエゾオオカミの標本数を増やすために、収蔵施設に出向き標本を借受け、そして帯広畜産大学でCT撮像を行うための移動に使用する。また、これまで撮像したCTデータからニホンオオカミの頭蓋模型を作製するために使用する。さらに、論文掲載の経費としても使用する予定でいる。

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公開日: 2022-12-28  

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