研究課題
考古学研究においては,個体間・古墳間の埴輪顔面同士の類似性を定量化・可視化し,人物埴輪顔面に関する製作規格の有無を探ることを求めていた.この目的を達成するために,最終年度は,下記のテーマに関して研究を実施した。(1)3次元計測点群から生成した2次元画像に基づいて、人物埴輪の顔の類似性を定量的に評価する新手法を提案した。この手法では、3次元点群を2次元画像に変換し、深層学習モデルを用いてランドマークを検出することで、計算効率のよい類似性評価が実現された。実験では、考古学的な分類と概ね一致するクラスタリング結果が得られたが、一部で考古学的見解と異なる点も見られた。ランドマーク位置を手動で修正することで、より考古学的な視点に近い結果が得られている。この研究は、人物埴輪の客観的な類似性評価と分類に新たなアプローチを提示し、考古学的分類を定量的に裏付ける可能性を示している。(2)埴輪の顔面類似性を評価するために、3次元点群データから顔のパーツを自動抽出する新しい手法を提案した。提案手法は、点群の中心軸推定、円柱への投影、穴の輪郭点検出、目と口の特定、鼻の位置推定などの一連の手順で構成されている。これにより、埴輪全体の点群から自動的に顔のパーツを抽出することが可能となる。(3)埴輪や石器などの識別精度と速度の向上を目的とし、2次元マッチング(Huモーメント)と3次元マッチング(ICPアルゴリズム)に加えて、3次元的な特徴量であるD2分布を導入した。これにより、識別精度が向上し、処理速度も改善された。
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SPIE Conference Proceedings
巻: 13164 ページ: 1316417-1-6
10.1117/12.3018542
巻: 13164 ページ: 131642Z-1-5
10.1117/12.3019567
巻: 13164 ページ: 1316430-1-4
10.1117/12.3019573