研究課題/領域番号 |
21K00992
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
森 美加 杏林大学, 保健学部, 講師 (90737165)
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研究分担者 |
久原 重英 杏林大学, 保健学部, 教授 (60781234)
小林 邦典 杏林大学, 保健学部, 特任教授 (90723867)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 木質文化財 / CT / MRI / Polyethylene glycol |
研究実績の概要 |
MRIのUltra-short TE(UTE)による木材へのPolyethylene glycol(PEG)含浸の非破壊の3次元モニタリング法を実証した。材料には飽水状態にしたあとにPEG-4000の水溶液濃度を20から100wt%まで20wt.%ごとに変化させて,2週間間隔で含浸させた現生材と,PEG-4000の40wt.%水溶液を室温で約4年かけて含浸させた考古学的木材を用いた。PEG-4000水溶液のSignal Intensityは,特定の温度条件下(液温60℃;PEG-4000の溶解する温度)ではあるが,PEGが高濃度になるにしたがって増加した。得られたUTE画像データから立体視画像を作成したところ、木材サンプルのUTE画像データから立体視画像を作成したところ、木材サンプルのPEG含浸部分を立体的に表現することが可能であった。 次に、同様の手法がCTでも実現可能であるか検証した。60℃に加温したPEG-4000の水溶液をCTで撮影して取得した画像のCT値を測定したところ、UTE同様にPEGが高濃度になるにしたがってCT値が増加した。液温が低下すると、PEGが固体化することによりCT値は低下した。 出土木材に対してCTを用いてPEG含浸の画像化を検証したところ、PEG含浸の進捗状況をある程度把握することができた。しかしながら、試料を入れた容器内のPEG溶液が3次元画像化に障害が生じることが明らかとなった。CTにてPEG含浸を撮影・評価する際には試料の外側に存在するPEG溶液を除去する必要がある。 木質文化財に対して、木部の劣化状況をCTにて画像化することが可能であるが検証した。CTは虫害の程度を視覚化することが可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響で所属施設の規定により研究者の移動が制限されており、木質文化財および出土木材を用いた検証が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
CTを用いたPEG含浸の3次元画像化の検証を進めていく。 可能であれば出土木材に対して適応する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により調査および学会への出席が制限されており、物品費・出張費を使用する機会がなかったため。
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