日本産の種を対象に棘条固定装置の多様性と仕組みの確認ができ、この結果は本邦以外に分布する種の棘条固定装置の探索にも利用可能である。本研究で明らかになった固定装置は少ない部品で錠前や鎖錠のような装置を開発するヒントになる。生物学を工学に結びつける異分野連携を推進する。 これまでは接触する骨どうしの摩擦だけが注目されたが、骨を結びつける腱も固定に重要で、腱を操作することで、ゴンズイなどの棘条の固定状態を解除可能であることが判明した。ヒトに役立つ工業製品のヒントは魚類液浸標本のような資料に求めることができることが示され、生物学以外の研究者だけでなく社会一般の生物学や水産学への関心の向上に寄与する。
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