研究課題/領域番号 |
21K01028
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
林 紀代美 金沢大学, 地域創造学系, 准教授 (70345643)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 食 / 地域 / 質 / 認識 / 風景 / 変容 / 地理学 / 消費 |
研究実績の概要 |
昨年度にアンケート調査を実施した福井県永平寺町の「葉っぱ寿司」の消費実態・認識に関する考察結果が,地域漁業研究(査読有)に2本掲載された. 当年度には,内陸地の宿泊施設における内水面魚献立・海産魚の刺身の利活用に関する長野県内の宿泊施設への郵送アンケート,全国の宿泊者へのWebアンケートを実施した.調査結果については,地域漁業学会第65回大会(愛媛大学)で報告した.現在,成果を学会誌に投稿中である.本科研のここまでの研究活動で得られた知見も含めて,日本家政学会食文化研究部会2023年12月例会(オンライン開催)において,魚食の広がり,質,人々の認識から地域をみつめる意義,魅力に関しての紹介,報告をした.また,近江町市場での水産物販売,海鮮丼提供に関する観光客の利用実態,認識を考察するため,Webアンケートおよび資料調査を実施し,その成果は日本海域研究(査読有),金沢大学人間社会研究域人間科学系紀要(査読有)に掲載された. 令和6年度に実施予定の長野県の寒天製造に関する地域住民の認識調査の準備のため,現地観察,資料収集を実施した. なお,当年に準備し,次年度実施を検討していた業者らへの調査実施,かぶら寿司に関する調査は,令和6年能登半島地震の発災にともない,地場水産物の流通状況が不安定になっている状況,地域の人々の食生活の不安定性を考慮し,再来年度以降に実施を検討をすることする.地震発生の影響,研究課題・目的に照らしてより最適な事例の選定,調査実施の実現可能性との兼ね合いで,過年度までと同様に申請時に想定,記載していた想定考察対象とは異なる食を取り上げて考察し,課題追求につながる成果を得ることができており(・次年度もその点を考慮して活動し),また本年度配分を若干多めに繰り越して次年度の活動の充実に充てることにしている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記したように,今年度当初に計画していた活動はほぼ実施,完了し,査読付き論文公表など成果の発信,成果の学会報告,論文投稿に至っている.科研申請時に考察対象の例をして想定対象を挙げていたものから変更をしながらこの間調査を進めているが,今年度も含めて,課題の深化により適切に接近できている.
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は,地域で特徴的,重要な産業,水産物利用に関わる風景に対する住民の認知に関わって,事例調査(アンケート調査)を進める計画をし,準備を進めている.また,今年度の調査結果については,その一部について現在投稿中(地域漁業研究)であるが,引き続き成果報告の準備を進める.当研究課題と関連して,令和6年能登半島地震の発災にともなう地域の食の環境・風景への影響に関しても,どのように考察していくか,検討を深めたいと思う.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の活動で,次年度に実施するアンケート調査の情報収集までは進めている。次年度にアンケートの作成,倫理審査の申請,アンケートの実施などを行う予定にしている。次年度使用額は,そのアンケートの作成・発送費に利用するため,次年度に繰り越したものである。
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