研究課題
本研究では、都市の持続可能な移行論に依拠し、持続可能な移行研究の分析枠組の1つであるマルチレベルの視点を用いて、令和6年度には、令和5年度の成果を踏まえて、現地調査を通じて、イノベーションによるレジームへの影響とその変容を明らかにすることを目的とし、以下のような研究計画を立てた。まず予備調査で、前年度の研究結果を再検討し、現地調査を実施する地域でのレジームに関する調査項目を絞り込む。つぎに現地調査で、対象地域で調査項目にそって調査を実施する。最後に、現地調査の結果を踏まえて、調査後の分析で、イノベーションのレジームへの影響とその変容を明らかにする。上述した研究計画にそって調査をすすめた結果、予備調査の際に、両国の都市部で電気自動車関連技術の蓄積がみられる一方で、2010年代初頭にスウェーデンのストックホルム市とヨーテボリ市で、社会的なイノベーションであるMaaSアプリが実用化され、自家用車以外の移動手段の利用促進や地域的な温室効果ガス排出削減への寄与が示唆された。この予備調査の結果をもとに、令和6年8・9月にスウェーデンとイギリスで現地調査を実施するとともに、運輸関連政策等と関連する資料を収集した。最後に調査後の予察的な分析では、電気自動車関連技術や社会的イノベーションの開発と並行して、これらのイノベーションを活用促進するために、イギリス・スウェーデンの両国で諸制度の整備がなされていることを明らかにし、これらの研究結果の一部を国際学会で報告した。研究期間全体を通じて実施した研究の成果として、運輸関係のイノベーションと諸制度が共進化し、さらにこのことが、特定の都市で進行することで、これらの都市が環境都市となりえたことを部分的に究明した。
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Sokolowski M. M. and Shimpo F. (eds) The Energy Transition in Japan: Smart Cities and Smart Solutions
巻: 1 ページ: 97~119
10.4324/9781003471417-7