フランスの任意の住民組織である街区委員会はマルセイユでは1890年代より既に結成され、都市公共交通の問題を中心にメンバーが住環境の改善に活躍し、特に郊外地域での都市化に貢献していた。本研究ではこうした事象が、他の地方大都市でも見受けられたのかを比較検証するために、パリ郊外、リヨン、トゥールーズで調査した。トゥールーズでは1920年代までは街区委員会が形成された痕跡は史料では確認できなかった。その理由は不明点が多く、都市化の程度の差が主に想定されるが、各都市の市政等との関係も研究していく必要がある。それでも本研究の目的であった、各大都市での住民組織の形成過程の違いについては概ね明らかになった。
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