研究課題
今年度も種々の事情により共同での地域調査やそれに基づく成果を公表できなかったが,各メンバーは個別に分担内容に関する研究を進め,以下の成果を得た.【山神】大都市圏やその周辺地域における通勤流動に関するこれまでの研究動向を整理したのち,近年の近畿地方における通勤流動の分析から,分散的多核化の進展などを指摘した(『日本の都市地理学研究』).一方,コロナ禍で東京都からの地方移住が見られたことを踏まえ,和歌山県における人口移動の状況を年齢階級別に検討した結果,30歳代半ば~70歳代の転入超過が見られ,コロナ禍で地方移住が進んだことが確認された(紀州経済史文化史研究所紀要44).【菊池】日本の産業別就業者数の変化の地域的特徴,および山陰地方を事例に国土縁辺地域における就業構造と人口移動の関係を検討し,大都市圏での知識集約型産業の就業者構成比の上昇,大都市圏周辺地域での製造業に依存した就業構造,国土縁辺地域での医療福祉が最多就業者数産業になったことを明らかにした(人文地理学会特別例会).その他,不動産投資に関わるこれまでの研究成果を公表した(『不動産投資の空間構造』,The Journal of Real Estate Finance and Economics 2023).【西山】地方都市である宇都宮市や福井市に加え、東京大都市圏の人口動態や住宅供給の調査・分析を行った。地方都市の分析から,若年層の流入や居住者の入れ替えがみられる住宅地の特徴が明らかとなった(地理69-3).また,東京大都市圏の分析では、都心から40km以遠では都心とのつながりが希薄になって地方都市化が進行していることを明らかにした(人文地理学会都市圏研究部会)。そのほか,『地理』に連載中の「地理学者が選ぶ 日本の都市百選」の担当者の一人として執筆を続け,その成果の一部は『日本の都市百選 第1集」に結実した.
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地理
巻: 69(3) ページ: 60-68
巻: 69(3) ページ: 108-117
和歌山大学紀州経済史文化史研究所紀要
巻: 44 ページ: 43~60
10.19002/AN00051020.44.43
The Journal of Real Estate Finance and Economics
巻: 08 November 2023 ページ: 1-44
10.1007/s11146-023-09966-9
巻: 68(5) ページ: 33-41
巻: 68(6) ページ: 61-69