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2022 年度 実施状況報告書

在日ムスリム女性の感染症に対する認識・態度・行動と文化社会的要因―結核に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 21K01062
研究機関大分県立看護科学大学

研究代表者

桑野 紀子  大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (30550925)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード在留外国人 / 在日インドネシア人 / ムスリム女性 / 感染症 / 結核 / 文化社会的要因
研究実績の概要

本研究では,在留外国人の感染症対策について、特に結核に着目し、文化社会的側面から検討する。調査2年目である令和4年度は、在日インドネシア人ムスリム女性の結核に対する認識・態度について、文化社会的背景を踏まえて考察することで必要な支援について検討することを目的とし、質問紙調査を実施した。
インドネシア出身で18歳以上の在日ムスリム女性を対象とし、無記名アンケート調査を行った。質問は「属性」、「結核に対するイメージと態度」、「結核に関する知識」、「情報取得の機会」、「結核罹患時の対応と治療場所の希望」等であった。
結核のイメージについて「年代を問わず自分を含め誰もがかかる可能性のある怖い病気である」と考えている人が多く、結核高蔓延国であるインドネシアで得たイメージが日本在住の現在のイメージにも影響を与えていると考えられた。自分がもしも結核に罹患し治療が必要となった場合、「なるべく一人でいた方がいい」と考える人が多く、結核が感染性疾患であることを理解している一方で、罹患したことを隠したいと思っている人は約3割であった。インドネシアでは結核に対するスティグマは顕著ではなく、社会全体の問題と捉えていることが推察されたが、結果の解釈は今後予定している質的調査の結果と統合して考える必要がある。結核に関する知識については、重症化した際の症状を約3割の人が認識できていなかった。結核の治療場所としてはインドネシアを希望した人が約2割いた。また、日本の医療機関へのアクセスに困難を感じている人は少なくなかった。
今後は、同対象者のうち了承の得られた複数名に対し、対面でのインタビュー調査を実施予定である。上記量的調査で得た結果と統合し、研究全体として解釈し、まとめていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していた研究デザインを、COVID-19感染拡大の影響により、一部変更する必要があったため、やや遅れている。
具体的には、申請当初はミックスドメソッドの順次的探索的デザイン(質的研究→量的研究)を予定していたが、初年度ははCOVID-19感染拡大により対面でのインタビュー調査が難しくなったため、順次的説明的デザイン(量的研究→質的研究)に変更した。
研究デザインの順序性変更を余儀なくされたが、結果として順次的説明的デザインが本研究により適していたと考えている。次年度は鋭意質的調査を進めていく予定である。

今後の研究の推進方策

令和5年度もインドネシアの看護学部教員である研究協力者との連携を密にしながら、在日インドネシア人ムスリム女性を対象としたインタビュー調査の準備を進め、実施する。
インタビュー調査では、インドネシア語と日本語および英語が堪能な通訳に同席してもらい、インタビュアーである研究者と対象者間の意思疎通を担保する。また、結果の解釈においては、インドネシアの研究協力者と十分な議論を行う。
令和4年度に実施した質問紙調査の結果と本調査結果を併せ、実態に即した解釈に努め、在日ムスリム女性の結核対策に関する具体的提言につなげていきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

申請当初はミックスドメソッドの順次的探索的デザイン(質的研究→量的研究)を予定していたが、初年度ははCOVID-19感染拡大により対面でのインタビュー調査が難しくなったため、順次的説明的デザイン(量的研究→質的研究)に変更したことに伴い、予算使途が変更となった。

備考

研究実績の概要に記載した研究である。令和5年度に学会発表、論文作成・投稿を進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Universitas Muhammadiyah Yogyakarta(インドネシア)

    • 国名
      インドネシア
    • 外国機関名
      Universitas Muhammadiyah Yogyakarta
  • [備考] 在日インドネシア人ムスリム女性の結核に対する認識・態度と社会的背景

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公開日: 2023-12-25  

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