多民族国家マレーシアにおいて、ヒンドゥー教と華人宗教がいかに混合し、新たな形と価値観を生み出しているか、またシンクレティズムの文化的・社会的・歴史的要因について明らかにした。文化的要因としては、図像的類似性、教義的類似性(多神教、化身、輪廻転生)、儀礼的類似性(憑依、自傷行為、火渡り)による模倣、神格の資質の変容により、神格の同一視と流入が生じていることが挙げられた。社会的要因としては、開発、土地問題、民族政策により両宗教が合祀または合体するようになったことが指摘された。歴史的要因としては、英領期およびその後の開発による、両民族の近接性や、結婚や養子縁組による文化の浸透性が挙げられた。
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