現代アフリカにおいて重要性を増しているコミュニケーション・ツールであるSNSが、西アフリカのマンデ系諸民族の語り部グリオによりどう使用され、彼らの口頭伝承文化にどんな影響を与えているかについて、コートジボワールのアビジャンにおいて、フィールドワークに基づく手法で明らかにした。 マンデ系のグリオは、叙事詩を語り伝え、祭礼の際に「誉め歌」を歌うともに、ポップスの分野でも活躍している。彼らがその楽曲制作においてデジタル機器を活用するとともに、SNSにより積極的に自身の音楽活動を発信することで、アフリカで伝統的に発展してきた「声の文化」が変容しつつある状況を具体的に理解することができた。
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