研究課題/領域番号 |
21K01074
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪 |
研究代表者 |
澤井 浩一 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪歴史博物館, 課長 (60215902)
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研究分担者 |
中野 朋子 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪歴史博物館, 主任学芸員 (00300971)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 陶業時報 / 瀬戸物祭 / 瀬戸物町 / 同業者組合 / 陶磁器流通 / 大阪窯 / 業界誌 |
研究実績の概要 |
研究計画の内、(1)『陶業時報』のデジタル画像データ化の実施について、2021年度において専門業者によるデジタル写真撮影を行い、2300カットを撮影し、大部分の撮影を完了し、残りは重複本・端本等についてどのように撮影するかの取扱について検討する段階となった。これにより酸化の影響により脆弱となっている「陶業時報」の全容を把握するための作業について、画像により安全に進めるための素地ができた。またTiFFとJPEGの高画質データで撮影したことで、今後検討する公開の方法も多様化が可能となった。 (2)書誌および記事検索情報等の作成、データ化については、各号の書誌情報、記事見出し、目次等の検索用情報を整理し、全453号の内、第117号まで完了できた。各号の発行年月日、発行年(西暦)、掲載項目(分類)、記事見出し、筆者(記名)、広告主の所在地、取扱商品・広告内容等、備考等の項目で採録し、今後の研究推進のための情報整理が約四分の一ほど完了した状況であり、作業見込みとして補助期間内の項目整理作業が難しい状況であることが判明した。 (3)基礎調査および同時代史料の比較検討の実施については、『陶器商報』(愛知)との比較をするものであったが、新型コロナ感染症拡大のため未実施である。(4)陶磁器の生産地、消費地の検討、 (5)信仰・祭礼を核とした同業者のマチとしての地域の特性の検討については、2021年度の写真データ整備、書誌情報や掲載項目の整理に注力したため、2022年度以降の作業の実施することとなった。(6)流通・経済史、民俗学、文化史、美術史的研究での活用のためのデータ公開の検討については、最終年度となる2023年度を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画の内、(1)『陶業時報』のデジタル画像データ化の実施について、2021年度において専門業者によるデジタル写真撮影を行い、2300カットを撮影し、大部分の撮影を完了し、残りは重複本・端本等についてどのように撮影するかの取扱について検討する段階となった。予定以上の進捗であり、当該資料の画像データの取得は今後の研究を進める足場となる。 (2)書誌および記事検索情報等の作成、データ化については、各号の書誌情報、記事見出し、目次等の検索用情報を整理し、第117号まで完了できたが、全体の四分の一程度の進捗に留まっており、『陶業時報』の全容の把握が補助期間内に完了できるか難しい状況であり、研究対象とする範囲等を再検討する必要が出てきた。 また(3)基礎調査および同時代史料の比較検討の実施については、『陶器商報』(愛知)との比較をするものであったが、新型コロナ感染症拡大のため未実施となった。(4)陶磁器の生産地、消費地の検討、 (5)信仰・祭礼を核とした同業者のマチとしての地域の特性の検討については、2021年度の写真データ整備、書誌情報や掲載項目の整理に注力したため、2022年度以降の作業実施としたため、基礎情報の取得作業以外のことが遅れている傾向にある。
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今後の研究の推進方策 |
(1)『陶業時報』のデジタル画像データ化の実施については、2021年度において専門業者によるデジタル写真撮影を行い、2300カットを撮影し、大部分の撮影を完了したため、残りは重複本・端本等についてどのように撮影するかの取扱について検討する。 (2)書誌および記事検索情報等の作成、データ化については、全453号中117号まで完了という状況で、約四分の一の進捗に留まるため、作業人員を増やすなどの方策を講じて可能な限り進捗を図る。 (3)基礎調査および同時代史料の比較検討の実施については、『陶器商報』(愛知)との比較をするものであったが、新型コロナ感染症拡大のため未実施である。(4)陶磁器の生産地、消費地の検討、 (5)信仰・祭礼を核とした同業者のマチとしての地域の特性の検討については、新型コロナ感染状況にも影響されるが、2022年度には調査を開始し、進捗を図る。 (6)流通・経済史、民俗学、文化史、美術史的研究での活用のためのデータ公開の検討については、2023年度において公開データの整備状況をみながら検討実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症拡大による府県外移動制限等により出張による調査ができなかったため。また資料撮影においても、重複本、端本等の撮影計画を調整するため、一部の実施を保留したため。
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