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2021 年度 実施状況報告書

離婚に関する紛争解決システムの実証的基盤

研究課題

研究課題/領域番号 21K01096
研究機関東京大学

研究代表者

齋藤 宙治  東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (20779392)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード法社会学 / 家事紛争 / 離婚 / 面会交流 / 養育費
研究実績の概要

本研究は、日本における離婚紛争とその解決の実態を総合的・実証的に、かつ定量的に解明しようとする学術研究である。日本における離婚紛争の実態は、いまだによくわかっていない。離婚について、紛争解決という観点からの体系的かつ実証的な実態調査はこれまでほとんどなされてこなかった。そのため、定量的な統計データが不足している。なお、離婚において、特に子どもが絡む養育費や面会交流の定め方・履行方法については、長年の社会問題となっている。そうしたところ、本研究では、実態を解明することで、離婚紛争解決システムの実証的基盤を構築することを試み、円滑で効果的なシステムのあり方についての法政策的・実践的提言を目指す。
2021年度は、主に次の調査と分析を行った。第一に、離婚経験者を対象とした質問票調査を実施した。具体的には、過去20年間の子ありでの離婚経験者3000人を対象にオンラインでの質問票調査を実施した。他機関が過去に実施した類似調査等と比べると、最も大規模な子ありでの離婚経験者調査であり、かつ過去20年間の経年変化の解明を試みた点に特徴がある。調査では、親権・監護権、養育費、面会交流などの条件についての具体的な合意内容、交渉過程、離婚調停の有無、弁護士の関与の有無、実際の履行の有無などについて網羅的に質問した。第二に、上記調査で得られたデータのうち、養育費と面会交流の取決め率の経年変化に焦点を当てた分析を実施した。この研究成果は、2021年5月の日本法社会学会学術大会及び社研セミナー(東京大学社会科学研究所)において研究報告を行った。また、この研究成果について、研究論文を執筆した(2022年度に「法と社会科学」誌に掲載)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね当初の計画どおりに、初年度にオンライン調査を実施し、順調にデータの収集・分析を行うことができた。

今後の研究の推進方策

初年度は、離婚経験者の質問票調査を設計・実施するとともに、収集したデータの分析に着手した。本研究の2年目となる2022年度は、引き続き調査データの分析を進める計画である。

次年度使用額が生じた理由

2021年度に対面での参加を予定していた国際学会が、コロナ禍によりオンラインでの開催に切り替わったため出張旅費分が未支出となった。次年度の国際学会への出張旅費として使用予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The Impact of Lawyer Fees on Lawyer Partisanship: The Reciprocity Norm May Matter2021

    • 著者名/発表者名
      Hiroharu Saito
    • 雑誌名

      International Journal of the Legal Profession

      巻: 28 ページ: 319-334

    • DOI

      10.1080/09695958.2020.1859378

    • 査読あり
  • [雑誌論文] シンポジウム: ADRにおける代理人の職務上の倫理について(2020年仲裁ADR法学会シンポジウム逐語録)2021

    • 著者名/発表者名
      石田京子・林圭介・山﨑雄一郎・齋藤宙治
    • 雑誌名

      仲裁とADR

      巻: 16 ページ: 85-107

  • [学会発表] 離婚における子どもの養育費と面会交流の取り決めについて2021

    • 著者名/発表者名
      齋藤宙治
    • 学会等名
      東京大学社会科学研究所社研セミナー(オンライン開催)
  • [学会発表] 面会交流・養育費の取り決め及び履行の変容2021

    • 著者名/発表者名
      齋藤宙治
    • 学会等名
      日本法社会学会(オンライン開催)
  • [備考] 研究代表者webページ(齋藤宙治)

    • URL

      https://www.hiroharusaito.com

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公開日: 2022-12-28  

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