研究課題/領域番号 |
21K01101
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西 英昭 九州大学, 法学研究院, 教授 (50323621)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 法制史 / 中国法 |
研究実績の概要 |
初年度となる2021年度については、資料収集・整理のための基本的な研究環境を整備するためにノートパソコンを購入し、関連する書籍の収集に尽力した。書籍については研究分野において新たに刊行された基本書、さらには日本語の古書で所属大学図書館に所蔵のないものを中心に購入し、また中国書・台湾書について、これも所属大学図書館に所蔵のない古書、及び最新の研究成果や資料集について重点的に購入し、英語文献についても基本文献や資料集などを購入することを通じ、コレクションの一層の充実を図ることとした。既に国内所蔵のあるものについては相互貸借・複写依頼等を通じて入手することで重複購入の無駄を省くことにした。収集と並行してこれら資料を読み込みつつ、論文の執筆に着手した。 2021年度は新型コロナウイルスの蔓延によって国内移動が制限されたため、十全な活動が出来なかったが、それでも感染状況の比較的落ち着いた時期に1回だけではあるものの関西方面への出張を行うことが出来た。目下国立国会図書館でしか利用できないデータベース(大成老旧文献データベース等)を利用し、主として中華民国時期における中国本土での法制史学の展開過程に関する一次資料(論文)について効率的に文献収集を進めるとともに、京都大学図書館において、清末から民国期にかけての刑法典論争や同時代の法典研究についてのドイツ側関連文献を収集することが出来た。 なお初年度においてはその成果の公表につき投稿までには至らなかったが、それに向けて複数本の論文の執筆を進めており、執筆作業自体は順調に推移していることから、次年度にはこれらを公表することが可能となるものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始時には新型コロナウイルスが猛威を振るっており、繰り返す感染の波で研究自体不可能な状況に陥るのではと絶望的な観測も有していたものの、中国・台湾における感染状況が比較的落ち着いていたこと、また日中間の物流が辛うじて確保されたことによって、中国書・台湾書の新刊・古書を含めて関連文献を収集することが出来た。 また新型コロナウイルスの感染拡大の波と波の間に出張が可能となったことで、国会図書館でのみ利用可能なデータベースを通じて中華民国期の関連資料を入手することができ、また京都大学図書館においても資料を入手することが出来た。感染拡大期間においてはこれら資料を読み込む形で論文執筆に向けての準備を比較的スムーズに進めることが出来ている。次年度にはこれら成果を論文の形で公表する見込みが立ったことから、全体としてはおおむね順調に進展しているものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度もおそらくは新型コロナウイルスの感染状況に大きく左右されることが想定されるが、第一年度において収集できた資料の整理・読み込みを進め、論文の執筆を進めていくこととする。執筆過程において追加調査が必要となることが見込まれるが、これも感染の波と波の間で出張を入れる形で対応し、第二年度内には論文の投稿を行い、成果の早期公表に努めることとしたい。 人件費を計上しての資料整理は初年度は新型コロナウイルスの感染状況から対面でのアルバイト作業を依頼出来なかったが、感染状況を見つつ可能であれば再開し、無理であれば当座自身での作業を進めつつ、対応を検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度については100000円の予算前倒しを行い機動的な文献購入に努めたが、その際の残余として265円が生じた。書籍購入等に充当するには少額すぎる残余額であるため、これを次年度に回して併せて執行することとした。
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