研究課題/領域番号 |
21K01119
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
浅野 宜之 関西大学, 政策創造学部, 教授 (50321097)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | インド法 / アジア法 / パンチャーヤト / COVID-19 |
研究実績の概要 |
インドにおける農村部地方自治組織(パンチャーヤト)が、今般のCOVID-19の感染拡大を受けて、その拡大防止政策においていかなる役割を果たしているのか、また、その役割の法的根拠はいかなるものであるのかを検討する事が本課題のテーマである。 研究実施計画においては、インドへの現地調査を行い、とくにアーンドラ・プラデーシュ州を中心に現行のパンチャーヤト法やパンチャーヤトに関わる政策関連の資料を収集するほか、パンチャーヤトの動態について現状を聞き取り調査にて把握する予定であった。 申請時点は感染拡大第1波が落ち着いた時期であり、現地調査のための入国も可能であると見込まれたが、2021年春以降のインドにおける急激な感染拡大により入国が困難になったほか、出国したとしても帰国後の隔離に長期間を要する事態となったため、文献調査を行った。文献収集に際しては日本貿易振興機構アジア経済研究所図書館を利用したほか、インターネットを活用した。 またインドを含む南アジア諸国の法制度について基礎的理解を進める作業の一環として、『新版アジア憲法集』(明石書店)の共編作業を行い、刊行した。さらに、インドにおける司法制度の現状について検討を進めた。 2022年6月に開催されるアジア法学会においてインドにおけるCOVID-19対策と法制度について研究報告を行う際に収集した情報にもとづき、パンチャーヤトの果たす役割についても言及する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インドにおける現地調査を実施し、そのなかで地方政府のCOVID-19対策における役割について聞き取り調査や文献収集を行う予定で研究計画を立てていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により入国が不可能となったためこれが実施できなくなった。そのため、できるかぎり不足分の情報を得るべく文献収集を行い、その整理、検討を行ったが、インドからの文献資料の入手も困難になっているため、パンチャーヤトのCOVID-19感染拡大防止政策における役割およびその法的根拠について検討するに際しての情報を得るには不十分な面も大きかった。
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今後の研究の推進方策 |
インドにおける現地調査については、パンチャーヤトのCOVID-19対策に果たす役割について情報を収集するために必要であると考えるが、本報告書執筆時点においては現地入国および帰国後の円滑な研究教育活動への復帰が困難と考えられるため、当面は入手可能な文献資料をもとに研究を遂行する。そのために、2022年内にアジア経済研究所図書館などへの国内出張による資料収集を予定している。 また、あらためてこれまでのパンチャーヤト研究をふりかえり、先行研究の総括を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大により、予定していたインドなどへの海外調査を実施することができず、そのため見積もっていた海外調査費用分を執行することができなかったため次年度使用額が生じた。 2022年度においては、海外渡航が可能になったかぎりにおいてインド現地またはその周辺国への渡航および資料収集を実施するつもりであるが、当面は国内での資料収集を実施するための国内旅費として、また文献収集に必要な費用として執行する予定である。
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