研究課題/領域番号 |
21K01123
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北島 周作 東北大学, 法学研究科, 教授 (00515083)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 行政法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、オーストラリアの行政決定司法審査法(ADJR法)の成立経緯、その内容等を見た上で、この法律が行政法機構の中で生じさせてきた諸問題を分析、検討することを通じて、行政法機構の中での法典化法の機能という視点から、行政法の法典化を検討するための基本的枠組みを構築し、それに基づき、現在までの日本の行政法の法典化の内容を評価するとともに、今後予想される法典化の進展において、いかなる問題が生じ、どのような対処が必要であるのかという問題を検討することである。 本年度は、ADJR法の逐条解説書を参照することにより、ADJR法の全体構造を把握するとともに、個別条文の内容や適用除外条項の内容、さらに並行して存在する判例法(コモンロー)上の司法審査制度に由来する憲法令状に基づく司法審査制度との関係の分析を通じて、ADJR法の一般法としての射程をある程度明らかにした。また、ADJR法は連邦法であるところ、各州版ADJR法の内容、連邦法との関係及びその意義に関して、関係する論文を参照することにより、理解を深め、法典化の問題に対する示唆を得た。その検討の一部は研究会において報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今後の研究の基礎となる、ADJR法の内容、その一般法としての射程、各州版のADJR法の内容、連邦法との関係といった基本的事項について明らかにすることができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後もADJR法、各州版のADJR法も含めて、関係する判例、論文を参照して、理解を深めていく。また、立案経緯に関する調査についてはまだ着手できていないため、文献を入手し、検討を進めたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大のため、出張ができなかったため。
|