研究課題/領域番号 |
21K01128
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉野 夏己 岡山大学, 法務学域, 教授 (90379834)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スラップ訴訟 / SLAPP / 名誉毀損 / 表現の自由 / 現実の悪意 |
研究成果の概要 |
近年、言論弾圧の手段としてのスラップ訴訟をいかに防止するかが大きな課題となっている。しかし、スラップ訴訟はアメリカで発展した議論であり、しかも多様な論点を含んでおり、必ずしもを正確な情報が受け入れられていない。また、アメリカでも、スラップ被害防止法を制定した州は32に止まっており、その動向は流動的である。本研究は、アメリカのスラップ訴訟の動向を明らかにし、その論点を探究し、また、主な州のスラップ被害防止法を概観して、スラップ訴訟の客観的状況を明らかにするとともに、スラップ訴訟に対して警鐘を鳴らしている。スラップ訴訟を防ぐ実態法理を検討し、スラップ被害防止を制定するなどの対策を指摘している。
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自由記述の分野 |
憲法
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、①アメリカ合衆国における名誉毀損法の歴史的展開、②スラップ被害防止法を分析し、③主として、日本における民事名誉毀損法の司法原理、④日本におけるスラップ訴訟の現状を分析し、⑤日本において、既存の司法原理を利用したスラップ対策の有効性、⑥さらには、スラップ被害防止法の制定への課題などを検討した。スラップ訴訟の危険性を認識し、適切な訴訟指揮により、早期に訴訟を打ち切るよう誘導すべきこと、「現実の悪意」基準を判例法により形成するなど名誉毀損訴訟の免責法理を強化することを訴え、加えて、スラップ対策が、果たして実体法的な対策なのか、立法論なのかについて混乱している日本の状況を指摘している。
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