研究課題/領域番号 |
21K01152
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
小川 有希子 帝京大学, 法学部, 助教 (80846288)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 専門知 / 市民社会 / 立法過程 / 規範形成過程 / 政府提出法律案 / 民主的統制 / 国会によるコントロール / 科学技術と法 |
研究成果の概要 |
本研究は、科学技術に関する専門知の規範形成過程における位置づけを明らかにし、規範形成過程を既存の公法体系に再定位することで、かかる領域におけるよりよい統治の可能性を明らかにした。<提案→評価→決定→再評価>の円環構造のなかに、「専門知」を位置づけるための制度分析を通して、専門知を集約するための経路を整理し、議院内閣制における政府決定に対する民主的コントロールのあり方について調査・研究をおこなった。これにより、政府提出法律案に対する多層的なコントロールを制度化し、規範形成過程における市民社会組織の役割を再評価することで、本研究の目的を一定程度達成することができるとの結論に達した。
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自由記述の分野 |
憲法
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、その民主的正統性について、これまで充分な総合的検討がされないまま多用されている行政立法について、専門家の関与と市民社会の動員という、その性質において必ずしも親和的とはいえない二つの動きを規範形成過程に体系的に位置づけようと企図した点において学術的意義がある。今日、インターネットの普及に伴う情報社会の進展は、専門家と市民の距離をときに縮め、両者のミスコミュニケーションや市民の専門家に対する不信を生じさせている。本研究は、専門家と市民の両者を規範形成過程に適切に位置づけ、その作用を通してより民主的な立法を目指すものであり、この点において社会的意義がある。
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