研究課題/領域番号 |
21K01156
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
北見 宏介 名城大学, 法学部, 教授 (10455595)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 政府弁護士 |
研究実績の概要 |
研究初年度である2022年度には、申請時に設定した当初の計画に沿って、法曹倫理規範に関する文献調査の作業に取り組み、かの国における議論状況の大まかな図式化をする形での整理作業を行っている。ここ10年において、政府弁護士の行動様式をめぐっては、従来との間における差異ないし従来からの変容を指摘する論者が複数存在しているようであり、これは、申請時から本研究期間の後半で分析作業に着手することを予定していた内容と重なるものという感触を得たため、この後半期の分析作業で必要となる素材の抽出を行っておくことを意識しつつ、引き続き近時の状況・議論を対象に、評価やその強度について意を払いつつフォローをすることとなる。また、申請の時点では明らかではなかった合衆国の政権が確定し、このことから、合衆国議会で最も政府弁護士への関心を寄せる両院の司法委員会との連関で分析を行う視角に係る着想を得たため、未だ調査は不十分ながらもここにも調査の範囲を広げている。他方、本研究が直接的に解明を試みる対象領域ではないが、いわゆる検察官論にも本研究のヒントとなる議論が存在する可能性があることから、日米における検察官論の文献状況の調査にも着手している。 上記の研究計画に沿った文献調査の作業に加えて、本研究の内容が有するわが国の問題状況への寄与可能性を意識しつつ、これまでの自身の研究の成果と、本研究で取り組む事項との連接について整理を図る形となる論文の執筆を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型ウイルスの感染状況の関係で、今年度に行うことを計画していた作業で未着手とならざるを得なかったものが生じており、100%順調に進展しているとまでいいうる状況ではないが、申請時の研究計画においても、こうした初年度における作業の未着手が生じることを予測した上での対応を用意した研究計画としていたことから、上記区分のような評価を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
申請時における計画に沿って引き続き研究を推進する予定であるが、作業実施の方法や、依拠すべき資料の代替・シフトの可能性など、随時、必要に応じて柔軟な対応をとることができるよう引き続き十分に留意する。
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次年度使用額が生じた理由 |
出張を行うことができなかったこと(この点は、申請時点で次年度へのずれ込みがあり得る旨記載をしている)に加えて、すでに注文を行っている国外の文献の到着に遅れが生じ、年度内における支払を行うことができなかったため、次年度使用額が生じている。国外文献については、到着次第執行手続をとるとともに、現下と今後の状況によっては、出張についても、文献費へのシフトも考慮しつつ、執行を行う予定である。
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