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2023 年度 実施状況報告書

国際組織・制度における補完性原則の意義と機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K01158
研究機関山形大学

研究代表者

丸山 政己  山形大学, 人文社会科学部, 教授 (70542025)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード補完性原則 / 国際組織 / 国際連合
研究実績の概要

今年度は、十分な研究時間を確保することができなかったため、公表された研究成果はないが、主として次の作業を進めた。
(1)様々な国際組織や制度の進展を補完性原則の観点から検討する試み:世界保健機関(WHO)におけるパンデミック条約策定作業や国際保健規則の改正作業、国連気候変動枠組条約の締約国会議(COP)におけるパリ協定実施のためのルールブックの内容や5年ごとの進捗状況を評価するグローバルストックテイクの議論動向、世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続における上級委員会の機能不全への対応状況、補完性原則に言及する欧州人権条約第15議定書発効(2021年8月)後の動向などについて、まとまった形で検討することはできていないが、少しずつ検討・整理を進めた。
(2)ロシアのウクライナ侵攻をめぐる様々な国際組織におけるロシアの権利・資格停止や除名の動きの評価:これは昨年度公表した「国連集団安全保障制度の法的課題」に関する解説記事を執筆する過程で明らかになった問題点について検討を深める作業である。いわゆる国際組織における「不参加の制裁」の仕組みを国際組織と加盟国の関係という観点から見直す作業でもあり、本研究課題にもつながる論点として位置づけることができると考えるに至った。
(3)国際組織のアカウンタビリティと補完性原則との関係に関する検討:依頼を受けて同テーマに関する論文を執筆することになった。国際組織の権限とアカウンタビリティの関係を考えるうえで補完性原則が果たす役割とは何かについて検討を進めた。アカウンタビリティの原則やメカニズムが発展すれば、補完性原則は国際組織に優位な形で機能するという仮説の検証をこれから進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

とにもかくにも十分な研究時間を確保できなかった。研究実績の概要にも記載した通り、関連する資料収集やこまごまとした実行分析は進めているが、まとまりのある形で整理できてはいない。依頼を受けた原稿執筆に絡めて補完性原則との関係も検討はしているが、目に見える成果はまだ出ていない状況である。

今後の研究の推進方策

すでに2024年度も研究以外の様々な業務が予定されており、十分な研究時間を確保することができるかおぼつかない。しかし、2024年度が最終年度でもあり、研究時間を確保することが最重要課題である。これまでの分析や検討をある程度公表可能な形でまとめることに注力したい。

次年度使用額が生じた理由

研究時間を十分確保することができず、旅費をあまり使用できなかった。次年度はなるべく積極的に調査にでかけるとともに、資料収集とアウトプットにかかる費用(英文校閲など)に使用する。

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公開日: 2024-12-25  

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