研究課題/領域番号 |
21K01159
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北村 朋史 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (20613144)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フラグメンテーション / 国際裁判 / 管轄権 / 適用法 / 司法化 / ICJ / UNCLOS / WTO |
研究成果の概要 |
近年特に人権・海洋・経済等の分野において、「本条約の解釈適用に関する紛争は裁判に付託される」などとの条項(裁判条項)を有する条約が増大し、これに基づき多くの紛争が国際裁判に付託されている。しかし、「本条約」以外の国際法の解釈適用に関する問題が、「本条約」の解釈適用に関する問題(請求)の前提問題となっている場合、国際裁判所は、その請求について管轄権を行使できるか、すべきかとの問題(いわゆる「巻き込まれた問題」の問題)が生じる。本研究では、こうした問題が生じ、判断がなされた国際裁判例や、それらの裁判例について検討した先行研究を分析し、各裁判例はいかに理解し、評価されるべきかを明らかにした。
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自由記述の分野 |
国際法
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の主題であるいわゆる「巻き込まれた問題」の問題は、裁判条項等の国の合意の解釈から答えを導くことが困難であるからこそ生じている問題と言えるが、先行研究は、黙示的権限論等に依拠してなお国の合意の解釈を試み、これによって無理に導かれた基準にしたがって各裁判例の適否を断じ、あるべき判断を論じている点で問題がある。本研究は、裁判例の多様性は事案の特殊性に根ざした対応の多様性を示しているとの理解に基づき、各裁判例にいかなる要因が作用していたと考えられるかを分析し、明らかにしたもので、新たな視点と知見を加えたものと言える。本研究の成果は、日本の国際裁判への対応や戦略を考える上でも重要な示唆を有する。
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