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2023 年度 実施状況報告書

法定期間満了後を見据えた地域生活支援モデルの構築ー家族支援を手がかりとして

研究課題

研究課題/領域番号 21K01189
研究機関福島大学

研究代表者

生島 浩  福島大学, 人間発達文化学類, 特任教授 (80333996)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード司法・犯罪分野 / 更生保護 / 引受人会 / 家族支援 / 地域生活臨床
研究実績の概要

本年度は、従前の刑務所からの仮釈放に必須な引受人を確保するためとは異なる、刑事司法・福祉・医療等との多職種多機関連携モデルにより構築する試みである「引受人(家族)会」を保護観察の法定期間満了後を見据えた再犯防止の手立てとして実践研究を展開する。
東京保護観察所立川支部との連携により、令和5年6月から令和6年2月までの間計8回実施し、矯正施設に収容されている者の引受人、出所後帰住先の家族に加え、関係機関の専門職が参画した。関係機関は、地元役所の生活保護・高齢福祉・障害福祉・子ども家庭福祉担当者、精神保健福祉センター薬物依存専門職、臨床心理学や家族臨床学専攻の大学教員、保護観察官・保護司等である。
研究成果は、参加者へのインタビュー調査及び詳細な会議録の質的分析を行い、日本犯罪心理学会や日本更生保護学会等で報告している。
実地調査は、令和5年2月及び令和6年1月に名古屋保護観察所の薬物依存者の家族会、令和5年3月には名古屋市の更生保護施設「立正園」を訪問し、その家族支援プログラムに参画するなどして、実践的なスーパービジョンを行った。
本実践研究が、試行段階から全国の保護観察所で展開されるシステムズアプローチとなるべく、令和5年12月に一橋大学で開催された日本更生保護学会第12回大会で質的研究の一部を報告した。さらにこれらの臨床実践を集積し、令和6年2月には、研究代表者の地元である福島でも引受人(家族)会を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

引き続きコロナ禍への十分な感染対策をとって、対面式の会合である「引受人(家族)会」を計画通り実施できた。研究協力者である大学院生による半構造化面接、詳細な記録化、参加者及び協力者へのインタビュー調査結果を質的研究法により分析した。
さらには、名古屋地区での家族支援プログラムへのスーパービジョンに加え、システムズアプローチとしての展開が可能となるべく、礎石を築くために地元(福島)での地域生活支援としての家族臨床プログラムを構築していきたい。

今後の研究の推進方策

令和6年度も6月から毎月、東京保護観察所立川支部との連携により、薬物依存者の家族を中核支援対象者とするが罪種に限定されることなく、多職種多機関連携によるシステムズアプローチの地域生活支援モデルとしての家族臨床を展開していく。
また,名古屋地区での家族支援プログラムへのスーパービジョンも継続し、福島での地域生活臨床である「家族を支援する会」の展開・定着化も図っていく。
研究成果は、9月の日本犯罪心理学会や10月の日本更生保護学会大会において報告し、その実践方法をテキストブックとしてまとめ、刊行することを課題としたい。

次年度使用額が生じた理由

本実践研究の中核部分をなす,東京保護観察所立川支部主催の保護観察対象者等に対する「家族会」が令和6年度も6月から翌年2月までの計8回実施されることになった。その協力者として研究代表者の小職及び研究協力者の大学院修了生に対する旅費が必要になったため次年度使用額が生じたものである。なお,主催者からの旅費等の支払いがない旨,依頼状に明記されている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 社会内処遇における家族支援の在り方について2024

    • 著者名/発表者名
      小野華・生島浩
    • 雑誌名

      福島大学心理臨床研究

      巻: 第18号 ページ: ー

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 児童期・青年期の家族支援2024

    • 著者名/発表者名
      中田洋二郎・生島浩
    • 雑誌名

      精神療法

      巻: 増刊第11号 ページ: ー

  • [学会発表] 更生保護における家族支援の在り方につて2023

    • 著者名/発表者名
      小野華・生島浩
    • 学会等名
      日本更生保護学会第12回大会

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公開日: 2024-12-25  

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