研究課題/領域番号 |
21K01199
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
豊田 兼彦 大阪大学, 法学研究科, 教授 (90410539)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 刑法 / 共犯 / 幇助犯 |
研究実績の概要 |
本研究は、幇助犯の成立要件のうち、幇助行為の促進性(行為の属性としての、他人の犯罪を促進する性質)に注目し、その意義と幇助行為の限定枠組みを、ドイツの議論を参照しながら明らかにしようとするものである。 初年度は、研究実施計画に従い、準備的な作業を行った。すなわち、幇助行為の促進性に関するわが国の議論を整理し、その到達点と課題を具体的に把握するために、わが国の関連文献・裁判例を収集・分析・検討した。さらに、関連するドイツの裁判例や文献を収集・分析・検討し、そこにおける幇助行為の促進性の理解やその有無を判断する具体的な基準を探った。この準備作業により、次のことが確認された。すなわち、とくに認定が難しい犯行決意強化型の心理的幇助に関するわが国の裁判例について、そこでは、単なる居合わせや犯行への同意を超える積極的関与があったかどうか、そのような関与に正犯者の安心感を高める作用があったかが問題とされ、このような作用があった場合に幇助行為該当性が肯定される傾向にあるとの仮説を立て、その検証を試みた結果、現時点では、この仮説はおおむね正しいことが確認された。 もっとも、この点については、ドイツの議論、とくにドイツの裁判例の検討をさらに進め、多面的な観点から、さらに分析を進める必要がある。別の切り口から、より有益な別の整理ができるかもしれないからである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に実施する予定であった日独の関連文献・裁判例の収集・分析・検討がおおむね順調に進展した。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画に従い、引き続き、ドイツの関連文献・裁判例の収集・分析・検討を進める。とくにドイツの裁判例の分析に力を入れる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、学会や研究会がオンライン開催となり、そのための出張旅費の執行がなかったため。物品費の執行額を増やしたが、それでも残額が生じた。次年度も、出張旅費の執行額が予定より減少する可能性が高いが、今年度の残額分とあわせ、旅費の残額分は、物品費(とくに書籍購入費)に当てることとしたい。
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