• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

薬物事犯および財産犯における刑罰と処分および治療の兼ね合い

研究課題

研究課題/領域番号 21K01210
研究機関立命館大学

研究代表者

松宮 孝明  立命館大学, 法務研究科, 教授 (80199851)

研究分担者 佐竹 宏章  青山学院大学, 法学部, 助教 (30844146)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード死刑 / 処分 / 治療 / 予防 / 規範 / 薬物 / 財産犯 / 二元主義
研究実績の概要

本研究は、刑事司法がコミットできる、薬物犯罪、窃盗罪や詐欺罪を対象とした病的ないし依存症的・条件反射的な財産犯罪行為者に対する「刑罰以外の」予防的な対処法を構想し、それと「刑罰」との兼ね合いを考えようとするものである。その方法は、とりわけ「刑罰」との「二元主義」に基づく「保安処分」発祥の地であるドイツ語圏の国々での「処分」の沿革研究とともに、欧米先進諸国での現状を調査し、認知行動療法や「条件反射制御法」を含む内外の専門家へのインタビューを交えた効果測定をしようとするものである。
2022年度は、新型コロナの影響で、国内外の調査出張は、22年3月に実施した台湾の調査を除き、十分には展開できなかった。台湾については、台湾刑法における「保安処分」や「治療矯正」制度の現状と課題、死刑制度の見通し、組織的経済犯罪や薬物事犯に対する刑事政策の展開を、現地で台湾を代表する研究者にインタビューしており、その成果は近日中に公表する予定である。他方、「刑罰」と「処分」の「二元主義」については、昨年に続いて文献中心の研究を進めている。とくに、予防刑論を唱えたフランツ・フォン・リストの学派の戦中戦後の展開を追っている。あわせて、医師法における医業独占の刑罰による担保の意味を明らかにした「『タトゥー事件』からみる『医行為』と刑罰による『医業』独占の意味」年報医事法学37号27頁(2022年9月)や死体遺棄の処罰の意味を明らかにした「『他者による葬祭可能性の減少』と死体遺棄」立命館法学404号142頁(2022年12月)など、刑罰の意味を各論的に検討したものが、22年度の成果である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

やや遅れていると考える最大の理由は、コロナ禍により22年度に予定していた海外の現地での研究が進まなかったことにある。それ以外では、ほぼ予定通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

新型コロナの状況次第であるが、文献研究を可能な限り進め、同時に、23年度は、状況下許す限りで、国内外の調査研究を旺盛に進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

22年度は、まだコロナ禍の影響で海外での現地調査がほとんどできなかったため、次年度使用額849,528円が生じた。これは、23年度に繰り越し、集中的に海外での現地調査のために使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 「『他者による葬祭可能性の減少』と死体遺棄」2023

    • 著者名/発表者名
      松宮孝明
    • 雑誌名

      立命館法学

      巻: 404 ページ: 1、23

  • [雑誌論文] 「『タトゥー事件』からみる『医行為』と刑罰による『医業』独占の意味」2022

    • 著者名/発表者名
      松宮孝明
    • 雑誌名

      年報医事法学

      巻: 37 ページ: 27,34

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi