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2021 年度 実施状況報告書

成年年齢の引下げによる若者の消費者契約トラブルに関する契約法理論の実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K01231
研究機関京都産業大学

研究代表者

坂東 俊矢  京都産業大学, 法学部, 教授 (40189733)

研究分担者 岩本 諭  佐賀大学, 経済学部, 教授 (00284604)
谷本 圭子  立命館大学, 法学部, 教授 (00288614)
大本 久美子  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30548748)
カライスコス アントニオス  京都大学, 法学研究科, 准教授 (60453982)
河上 正二  青山学院大学, 法務研究科, 客員教授 (70152923)
高嶌 英弘  京都産業大学, 法学部, 教授 (70216646)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード成年年齢引下げ / 消費者法 / 未成年者 / ぜい弱な消費者 / 消費者教育
研究実績の概要

2021年11月13日(土)に消費者法学会第14回大会がオンラインで開催された。本研究グループに所属するすべての研究者が「成年年齢引下げに伴う消費者問題」を共通テーマに個別報告を行った。その報告タイトルは、消費者法学会のWeb(http://www.consumerlaw.jp/taikai/014.html)に掲載されているとおりである。なお、学会の予稿が、現代消費者法第52号(2021年9月15日・民事法研究会)に掲載されている。また、学会の予稿では触れることができなかった論点や異なる観点からの研究などをまとめた論考が、河上、坂東、谷本、岩本、大本、高嶌によって、消費者法研究第11号(2021年11月15日・信山社)に掲載されている。
学会報告に向けた研究会は、2020年12月3日を第1回に、2021年1月28日、同年2月16日、同年3月1日、同年3月29日、同年4月22日、同年5月13日、同年6月11日、同年10月13日と、合計8回にわたって、オンラインで開催した。学会に向けたプレ報告と議論が行われ、それをもとに学会の予稿が執筆された。なお、例えば、若者の美容医療や融資をめぐるトラブルと業界の対応などについて調査を行った。
なお、2021年10月24日には美容医療と若者の被害について、2022年2月4日にはマルチ商法と若者の被害に関する公開研究会をオンラインで開催した。この研究会は本研究グループの研究者がコーディネータをつとめ、外部の専門家の報告も行い、広く消費者法や消費者問題の専門家に参加を呼びかけて開催した。学会では十分に議論できなかった課題などについても、率直な意見交換ができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究グループの研究者は、佐賀県から東京都まで広がっている。コロナ禍の中での研究の遂行となったため、研究会はもちろん、日頃の意思疎通や意見交換なども、オンラインで行うことを余儀なくされた。研究会の開催等は順調に行われており、また初年度の研究成果を発表する消費者法学会での報告もオンラインでの開催にはなったが問題なく実施された。
もっとも、今後、本研究での具体的な成果を明らかにしていくためには、相互の研究を関連させて発展させる必要がある。また、外国の対応や法や社会制度の調査を含め、成年年齢引下げ後の実態調査を行う必要があるが、その実施の具体化の見通しは必ずしも明らかにできていない。コロナ禍の状況を踏まえつつ、どのような調査や研究手法が可能であるのかについて、検討する予定である。

今後の研究の推進方策

2022年4月1日に成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことを踏まえて、若者からの消費生活相談がどのように変化しているのか。例えば、18歳や19歳の若者に対する融資のあり方は実務上、どのように判断され、機能しているのか。その他、若者の契約被害が想定される取引の実態はどのようになっているのかなど、成年年齢引下げの影響について調査することが必要になる。
一方で、現在、国会ではアダルトビデオの出演契約に関する18歳、19歳の保護に関する法律の検討が議論されているが、成年年齢引下げを踏まえたわが国の法や社会制度の変化の議論も改めて調査、検討する必要がある。
こうした検討を行いつつ、わが国と同様に成年年齢を18歳に引き下げたあるいは引き下げることを決めている諸外国の議論や法制度についても比較法的な観点を踏まえ、調査、研究することが課題になる。
なお、継続的に研究会をオンラインで開催する予定ではあるが、本年度は対面で、時間をかけた研究会を開催することも準備している。

次年度使用額が生じた理由

当初、対面を予定していた学会前後の研究会などが、学会そのものを含めて、すべてオンライン開催となったため、それにかかる予定であった費用を支出する必要がなくなったため。今後、コロナ禍の状況を判断しつつ、対面での研究会あるいは調査を実施することとしたいと考えています。

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (13件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] 成年年齢の引下げと若年消費者2021

    • 著者名/発表者名
      河上正二
    • 雑誌名

      消費者法研究

      巻: 11号 ページ: 1 - 10

  • [雑誌論文] 成年年齢の引下げと若年消費者2021

    • 著者名/発表者名
      河上正二
    • 雑誌名

      現代消費者法

      巻: 52号 ページ: 4 - 8

  • [雑誌論文] 若年消費者の契約被害の実際から考える消費者法の課題(再論)2021

    • 著者名/発表者名
      坂東俊矢
    • 雑誌名

      消費者法研究

      巻: 11号 ページ: 11 - 33

  • [雑誌論文] 若年者の契約被害の実際と消費者法の課題ー成年年齢引下げを見据えて2021

    • 著者名/発表者名
      坂東俊矢
    • 雑誌名

      現代消費者法

      巻: 52号 ページ: 9 - 17

  • [雑誌論文] 消費者信用取引と成年年齢引下げ2021

    • 著者名/発表者名
      谷本圭子
    • 雑誌名

      消費者法研究

      巻: 11号 ページ: 35 - 66

  • [雑誌論文] 若年消費者への適正与信と成年年齢引下げ2021

    • 著者名/発表者名
      谷本圭子
    • 雑誌名

      現代消費者法

      巻: 52号 ページ: 18 - 26

  • [雑誌論文] シンポジウム「成年年齢引下げ直前討論」2021

    • 著者名/発表者名
      高嶌英弘・坂東俊矢。徳田初美・黒田啓介・中田邦博・大本久美子
    • 雑誌名

      消費者法研究

      巻: 11号 ページ: 109 - 142

  • [雑誌論文] 美容医療およびエステサービスの特性と若年者の消費者被害2021

    • 著者名/発表者名
      高嶌英弘
    • 雑誌名

      現代消費者法

      巻: 52号 ページ: 27 - 35

  • [雑誌論文] 「脆弱な消費者」概念を手がかりとした若年消費者保護に関する考察2021

    • 著者名/発表者名
      岩本諭
    • 雑誌名

      現代消費者法

      巻: 52号 ページ: 45 - 52

  • [雑誌論文] 行政規制と民事規律を架橋する「消費者概念」の考察2021

    • 著者名/発表者名
      岩本諭
    • 雑誌名

      消費者法研究

      巻: 11号 ページ: 67 - 88

  • [雑誌論文] 「21世紀型能力」を育む消費者教育2021

    • 著者名/発表者名
      大本久美子
    • 雑誌名

      消費者法研究

      巻: 11号 ページ: 89 - 107

  • [雑誌論文] 18歳成年時代の消費者教育ー育成すべき資質・能力に焦点をあてて2021

    • 著者名/発表者名
      大本久美子
    • 雑誌名

      現代消費者法

      巻: 52号 ページ: 36 - 44

  • [雑誌論文] 若年者に関する消費者保護法理の展開と課題ー比較法的な視点から2021

    • 著者名/発表者名
      カライスコス・アントニオス
    • 雑誌名

      現代消費者法

      巻: 52号 ページ: 53 - 60

  • [学会発表] 成年年齢の引下げと若年消費者2021

    • 著者名/発表者名
      河上正二
    • 学会等名
      消費者法学会第14回大会
  • [学会発表] 若年者の契約被害の実際と消費者法の課題ー成年年齢引下げを見据えて2021

    • 著者名/発表者名
      坂東俊矢
    • 学会等名
      消費者法学会第14回大会
  • [学会発表] 若年消費者への適正与信と成年年齢引下げ2021

    • 著者名/発表者名
      谷本圭子
    • 学会等名
      消費者法学会第14回大会
  • [学会発表] 美容医療およびエステサービスの特性と若年者の消費者被害2021

    • 著者名/発表者名
      高嶌英弘
    • 学会等名
      消費者法学会第14回大会
  • [学会発表] 18歳成年時代の消費者教育ー育成すべき資質・能力に焦点を当てて2021

    • 著者名/発表者名
      大本久美子
    • 学会等名
      消費者法学会第14回大会
  • [学会発表] 「脆弱な消費者」概念を手がかりとした若年消費者保護に関する考察2021

    • 著者名/発表者名
      岩本諭
    • 学会等名
      消費者法学会第14回大会
  • [学会発表] 若年者に関する消費者保護法理の展開と課題ー比較法的な視点から2021

    • 著者名/発表者名
      カライスコス・アントニオス
    • 学会等名
      消費者法学会第14回大会

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公開日: 2022-12-28  

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