研究課題
基盤研究(C)
本研究は、約款においては契約当事者の合致した意思はないという観点から、意思がない場合に、約款解釈はどのような形で行うかを検討するものである。この観点からは、平均的な契約者が理解できる内容で解釈するのではなく、契約に欠缺がある場合にどのようにデフォルト・ルールを設定するかという考え方に即して、客観的に合理的な内容になるように解釈することが妥当である。
商法
約款解釈のあり方については、合理的、平均的な顧客の理解に基づいて解釈するといわれてきたが、平均的な生身の顧客の理解という観点からの解釈は、具体的な条項を解釈する際には機能しておらず、解釈の指針は不透明であった。本研究は客観的に合理的な内容での解釈が原則であることを理論的に基礎付け、客観的に合理的な内容での解釈という観点から実践的に有用な解釈の指針を定立するものである。