研究課題/領域番号 |
21K01247
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
本間 学 金沢大学, 法学系, 准教授 (80387464)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Open Justice / ウェブ公開 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、わが国の裁判公開原則に相当する、英国におけるOpen Justice原則の概要の把握、Open Justice原則の実質化のために取り組みが進められている、同国のウェブによる裁判公開の動向、及び、かかる動向との関係で訴訟関係人等の情報保護への配慮がどのようになされているのかを、主に文献を用いて調査した。令和4年度は、この検討結果を踏まえ、わが国の裁判公開原則と対比しつつ、ウェブによる裁判公開を構想する際の課題を考察し、その成果の一部を日本民事訴訟法学会第92回大会で報告したうえで、民事訴訟雑誌にその報告内容を公表した。 これまでの検討から、ウェブによる裁判公開をより実質的なものとするためには、一般第三者による訴訟記録のオンラインによる閲覧の可能性を探究する必要性も確認された。この問題についても、ウェブによる裁判公開と同様、訴訟関係人等の情報保護への配慮が問題となる。それゆえ、この点に関する検討は、裁判公開原則の例外が認められる範囲を考察する上での、一定の示唆を獲得することも期待できる。そこで、令和4年度は、当初予定よりやや検討範囲を広げ、この点に関する比較法研究の基礎となる文献収集もあわせて行い、その整理・分析を開始した。 また、当初の令和4年度の研究計画のとおり、米国における裁判公開原則、及びウェブによる裁判公開の議論を調査・分析する前提作業として、米国における司法制度及び民事訴訟の手続構造に関する基本情報を調査し、分析作業にも着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
英国法におけるOpen Justice及びウェブ公開に関する調査・検討の結果、得られた検討結果を日本民事訴訟法学会第92回大会において報告したうえで、論稿として公表することができたため、上記のように評価した。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定に従い、引き続き米国法の調査検討を行うとともに、訴訟資料の一般第三者へのオンラインによる公開の可能性と訴訟関係人の情報保護のあり方について、英米独の議論状況を調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度に予定していた国際学会への出張が、コロナ禍等の理由により実施の見送りを余儀なくされ、その残金が繰り越されたことによる。今後の海外文献の購入や今後予定される国際学会への旅費として使用することを予定している。
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