研究実績の概要 |
2022年度は、①国際倒産管轄、および②外国倒産手続との調整問題について、外国法との比較検討を行った。その際に、ドイツ連邦共和国の複数の教授にインタヴューを行い、様々な観点から意見交換を行った。すなわち、ベルリン・フンボルト大学クリストフ・パウルス名誉教授、レーゲンスブルク大学ペーター・ゴットヴァルト名誉教授、レーゲンスブルク大学ヘルベルト・ロート名誉教授、および、ミュンヘン大学ヴォルフガング・ハウ教授である。 本申請に関係する研究成果の概要は、つぎのとおりである。まず、外国での執行行為が承認されるための要件について、「執行行為の属地性と国際的効力」越山和広ほか編『手続保障論と現代民事手続法(本間靖規先生古稀祝賀)』(信山社・2022年)721-744頁で、ドイツ法と比較して論じた。また、この問題に関係する最高裁判所の判決について、「判批(最判令和3年5月25日民集75巻6号2935頁)」判例評論766号(2023年)143-148頁で検討した。また、国際管轄の問題について本研究に関係するものとして、Der Einfluss des anwendbaren Rechts auf die Beurteilung der internationalen Zustaendigkeit in Japan, in; Durantaye et al (Hrsg.), Verbindungslinien im Recht - Festschrift Paulus zum 70. Geburtstag (C.H.Beck), S.309-320( 2022年12月)がある。さらに、国際訴訟競合を規律する際に、検討すべき要素について、「国際訴訟競合の段階的規律の可能性――ブリュッセル(Ⅰa)規則における中止規定からの示唆――」慶應法学50号(2023年3月刊行予定)において検討した。
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